グリーンウッドワーク指導者養成講座2018 ②スプーンを作る
6月24日、グリーンウッドワーク指導者養成講座の第2回「スプーンを作る」を開催しました。
前回の記事でもお伝えしたように、今年は森林総合研究所の研究員(森林生態学)、市役所の林務課職員、木材商社の営業マン、木工家、スプーン作家、家具メーカー職員、大工専門学校の教員、木造建築の設計士と、森や木に関わるプロフェッショナルの人たちが全国から参加してくれています。
そのため日帰りではもったいないと、前日の夜に交流会を企画しました。木工専攻の学生たちが準備をがんばってくれました。採りたてのホオノキの葉を使った朴葉寿司まで!
夜は、スプーンにちなんだビデオ上映。神戸芸術工科大学の安森弘昌先生が撮影された、奈良県大塔村(現・五條市)の新子薫さんのクリの木杓子づくりです。
翌朝は、木の伐採から。森林文化アカデミー構内で、直径7〜8センチほどのリョウブの木を1本伐ります。
その後はオノ、ナイフ、フックナイフ(スプーンナイフ)で削っていきます。以前は削り馬とドローナイフ(銑)を使っていましたが、今年はスウェーデンのヨゲ・スンクヴィストさんや、アメリカのジャロッド・ダールさんに教わったやり方で実践してみました。なるべく少ない道具で、もっと多くの人にグリーンウッドワークを楽しんでもらえるようにとの工夫です。
いずれ自分たちが指導することを想定して、はじめての参加者でも簡単に作れるように正面・側面にスプーン型の線を引いて、削り進めます。
日頃、スプーンを製品として販売している人やスプーンづくり教室を開いている木工家も参加してくれましたが、生の木からオノとナイフだけでスプーンを作る、しかも立っている木を伐り、その日のうちにスプーンにまで仕上げるという体験は初めてという人が多く、刺激になったようでした。
ハイレベルな受講者のみなさん、さすがの出来栄えです。この後、みんなでアイスクリームを食べて楽しく講座は終了しました。
久津輪 雅(木工・准教授)