水田と湿地はどうなった?
里山景観マイスター養成講座 Basic コース 第2回(2日目)
田んぼの生き物に大興奮!
夜には参加者とスタッフで里山を楽しく伝えるためのグッズ紹介など交流を深め、森のコテージに宿泊後、翌日は水田に向かいました。前回5月の終わりに本講座で手を入れた放棄水田がどうなっているか見に行くためです。
前回ハンノキ林を伐採して掻き起こしを行ったところには、コナギなどの水田雑草が復活していました。中には今では見られなくなった絶滅危惧種も! 伐採して光が当たるようになった田んぼの泥がかき混ぜられたため、その昔水田耕作をしていたときに生育していた植物の毎土種子が発芽し、復活したようです。
一方で、伐採のみで掻き起こしを行わなかったところでは、チゴザサが多くを占めてしまい、単調な植生になってしまっていました。昔の耕作状況に近くなればなるほど多様性が増すのではないかと考えられます。
田んぼの水生生物を調べてみましたが、ここ何年も見かけていなかったスタァ性のある大型水棲昆虫も発見され、大いに盛り上がりました。ここ数年のマイスター養成講座の活動によって戻ってきたのかもしれません。ここは継続して調べていく必要があると思います。
水田と周辺の湿地には、夏の終わりから秋にかけて花を咲かせる植物がいっぱいでした。一部を紹介したのが以下の写真です。左上から時計回りで、「キセルアザミ」「ナガボノアカワレモコウ」「サワシロギク」「コケオトギリ」です。いずれも湿地かその周辺に生える植物たちです。
こういった植物が暮らす環境を保全していくために何ができるのか、考えていかなくてはいけないと思います。
准教授 柳沢直