En科2年「森林獣害」 くくり罠で、若シカの捕獲に成功!!
8月にスタートしたエンジニア科の「森林獣害」、最終回にあたる12月1~2日の授業は、揖斐川町谷汲において実施しました。
この科目は、今後、一層ニーズが増すと思われる森林獣害対策の実践技術・知識をエンジニア科学生にも学んでもらうため今年度、新設したものです。
今回授業は、くくり罠猟の体験がメインテーマです。岐阜大学の森部先生のご指導により、効率的な捕獲技術や捕獲後の保定技術、解体技術等について座学や実習・見学によって学ばせてただきました。
現場では、米ぬかを使って誘因する手法や、枝や小石を使った誘導手法も教えていただきました。
授業最終日には、幸運にも学生達が設置を手伝った罠にオスの若シカがかかり、獲物の止めさしから解体処理に至る一連の作業も間近に見学することができました。
仕掛けた罠を順に見回り、ついに捕獲されたシカの姿が見えた時には、学生達から歓声が上がりました。
しかし、獲物の止めさしに立ち会う時には、もう、はしゃいだ気持ちはありません。
自らが捕獲にかかわった動物が、目の前で命を絶たれ、横たわる姿に、複雑な思いが沸き上がります。
止めさしされた獲物は皆で運搬します。一才の若シカ、重量40キロ弱。決して大物ではありません。しかし、この時ばかりは、その重さが腕に応えます。
谷汲地域では、地域で捕獲された獲物をジビエとして有効に活用する仕組みが確立されています。今回捕獲されたシカも、(株)キサラエフアールカンパニーズが運営する施設で、ぎふジビエ衛生ガイドラインにそって解体処理をしていただきました。
この授業を通し、学生達は、技術の習得や、罠猟の成功体験だけでなく、生き物の命を奪うことに対する複雑な思いも同時に体験しました。こうした経験は、彼らの心に響き、今後、獣害対策や狩猟にかかわるうえでとても有意義なものとなるはず。
授業に参加してくれた学生達が、今後、獣害対策や狩猟にどのように関わってくれるか、とても楽しみです。
今回の授業を指導していただいた森部先生、多忙な中で施設見学をさせていただいた(株)キサラエフアールカンパニーズの皆様、とても素晴らしい学びの場を提供いただき、本当にありがとうございました。
以上、報告は森林獣害担当 伊佐治でした。