6月1日(金)施業プランナー第2回育成研修を開催
第2回施業プランナー育成研修を、6月1日(金)9時から山県市笹賀の「美山構造センター」及び山県市椿の中原林業所有林で開催しました。出席者は、受講生14名、関係林業普及指導員7名、事務局等、総勢28名でした。
午前中は「目標林型と施業方針の設定」と題し、当森林文化アカデミーの横井教授が180分講義を行いました。
施業プランナーは請負型林業に欠かせない存在であり、ビジョン(目標)の持ち方、プラン(施業案)の考え方を立案するのが施業プランナーであること等が説明されました。顧客(森林所有者)と組織(林業事業体)に利益をもたらす、林業のプロフェッショナル(技術者)であることが認識されました。
森林施業は逆算方式(バックキャスト)で考え、生産目標を画像でイメージできるような目標林型を設定していくことが求められていました
施業プランナーは技術的・経済的合理性から山の在り方、取り扱い方を空間的・時間的にデザインする力で現場力を鍛えるよう激励がありました。
午後は、中原丈夫講師から椿の中原林業所有林を見ながら「森林施業と指導方針」ということで、現地において240分講義をしていただきました。
中原林業は、1731年から経営という280年の伝統があり、300haの所有林を伐期80~90年で持続可能な林業経営を実践してきました。長伐期の施業体系に長材のまま搬出する生産システムや高密度な作業道開設を取り入れ更に工夫してきたことが説明されていました。
所有林の現地調査の中で、植栽5年後の林分から130年生の林分まで順に齢級別に現地で施業の経過の説明を受けました。雪起こしを徹底し下刈りを省力化していること、6年生でスギ・ヒノキ別のルールで枝打ちすること、ニホンシカ食害に対する薬剤散布・下刈省略対応・被害林の生産目標変更を行っていること、適地にはケヤキ・トチノキの人工樹下植栽を試験的に実施している事業地も調査することが出来ました。
受講生は、講師からの判り易く説得力のある講義を展開していただき、事後アンケートにおいて評判も良く、施業プランナーとしての重責を再認識している状況でした。