高性能林業機械を運転する資格を取得しよう2(模擬架設編)
前回に引き続き、高性能林業機械を操作の実習授業「車両系木材伐出機械特別教育」の報告です。
本校には「テクニカル前の広場」と呼ばれる広場があります。この平坦な広場を使ってスイングヤーダの架設と運転操作を練習し、架線が張れるようになったら演習林で本格的な架設を行うようにしています。
しかしながら、天候は朝から雨になり、「学生ホール」という広い階段状のホールに場所を移し、学校にある資材を使って模擬の簡易架線集材装置を組んで架設を学ぶことにしました。
架線集材機械であるスイングヤーダは、先柱となる立木や折り返しの滑車、専用の搬器(荷を吊り下げて運ぶ装置)を使って「ランニングスカイライン式」と呼ばれる索張り方式で組み立て、簡易架線集材装置として使用します。
この索張り方式は主索を使わないため重量のある原木等を空中運搬することは禁止されており、原木等の一端を地面に接地させ「地引き」により木寄せするのが特徴です。
青色の線(ホールバックライン)は、搬器を通し先柱の滑車を折り返して、搬器に固定します。また、赤色の線(ホールライン)は搬器を通し、荷を直接吊上げる構造になっています。
この仕組みを学校にある器材(滑車、シャックル、ベルトスリング、繊維ロープ)を使って再現すべく組み立ててみようというのが今回の課題です。
ただし、組み上げ作業は「班で1名だけが班長となり、その人だけが指示を出し、他の学生は指示通り動く」という約束で作業をしました。当然ですが、索張り方式を理解していないと組み上げることはできません。
索張りに自信がある学生から始めることになりますが、十分理解していない学生でも組み立てるのを手伝いながら真剣に覚えようとするので、自分の番が来る頃には大抵はできるようになっています。
でも、一時的には覚えているけど、数日すると忘れてしまうので、今度は実際にスイングヤーダを使って組み上げてみましょう!
林業専攻教員 池戸 秀隆