第6回生物多様性全国ミーティングで涌井学長、久津輪准教授大活躍
国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J) 生物多様性自治体ネットワークフォーラム
ぎふ清流文化プラザ 長良川ホールで開催された第6回生物多様性全国ミーティング&生物多様性自治体ネットワークフォーラム。
森林文化アカデミーの涌井学長はUNDB-J委員長代理でもあります。
古田肇岐阜県知事や関荘一郎環境省顧問とともに、生物多様性キャラクターとの共同宣言から始まりました。
涌井先生が国連生物多様性の10年日本委員会を代表してご挨拶。
本日の基調講演は北海道大学客員教授で元旭山動物園園長の小菅正夫さんによる『生物多様性と動物園』です。
ホッキョクグマは水の中で泳ぐクマで、現存する約2万頭は温暖化の問題もあり、約50年で絶滅するという研究者もいる。
動物の多様性は自然の多様性でもある。
多様性は命のつながりである。生物多様性のバックグラウンドには「豊かな森」がある。
絶滅危惧の動物はツシマヤマネコ(100頭)、イリオモテヤマネコ(100頭前後)、アマミノクロウサギ(5000頭)、オガサワラオオコウモリ(300頭以下)。
鳥類は15種が危機、アホウドリは4000羽、ウミガラスは19羽、エトピリカは30~40羽。
トキ(Nipponia nippon)は昔は北海道から沖縄まで生息していた。
生物多様性は「命のつながり」である。 それを生かす知恵が必要。
続いて、国連生物多様性の10年日本委員会認定連携事業の表彰式。
涌井先生から受賞者に表彰状授与されました。
さて、事例発表では『清流の国ぎふにおける生物多様性の取り組みについて』長良川流域の自然の恵みと伝統文化の継承~鵜飼・和傘~
ここで森林文化アカデミーの久津輪雅准教授、小瀬鵜飼鵜匠の足立陽一郎さん、和傘職人の高橋美紀さんによるトークセッション。
久津輪先生は勿論、森林文化アカデミーの紹介と鵜籠と周辺環境問題、和傘と周辺環境問題についても触れ、かつ森林文化アカデミーの学生たちによる「手業継承者」についても紹介。
足立陽一郎さんは、鵜匠としての自然の見方、伝承技術と生物多様性の問題にもふれ、腰蓑(こしみの)に用いる稲穂も、どんなものでも良いのではなく、茎が長く丈夫な糯種(もちしゅ)でないとダメで、その貴重な原種をご自身で栽培されていることも説明されました。
高橋美紀さんは海外経験から、日本の伝統工芸に目覚め、和傘に取り組んだこと。
和傘の魅力を語られました。自らも和傘の材料である轆轤(ろくろ)原木となるエゴノキを採取するエゴノキプロジェクトにも参加されています。
最後は、『地域の生物多様性(自然)の恵みを活かした生活・文化のために』と題してのパネルディスカッション。
ここでは久津輪先生が、パネリストの一人として参加され、イギリスでの家具職員の経験から、職人的手業の価値、重要性に気づかれたことなどを話されました。
13:00から始まり16:30まで、様々な内容について話題提供されたミーティング&フォーラム。
非常に内容の濃い面白い話題ばかりでした。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。