百年公園木育WS②「小枝の鉛筆削り」
10月20日(日)、関市内の百年公園にて「オータムフェス」が開催され、『小枝の鉛筆削り』木育ワークショップを実施しました。
【小枝の鉛筆削り】
見た目も可愛い小枝の中に芯を仕込んだ鉛筆。
削ることをテーマにしたワークショップを行おうと思ったのは、常々感じていた素朴な疑問 【刃物が使えない子供が多くなったのはどうして?】ということがきっかけでした。
私は、刃物が使えるということは、大人の第一歩であり様々な可能性が広がるきっかけの1つだと思っています。一人暮らしをしたら自炊もします。その時に包丁って使いますよね。
はじめて小刀を使うときのドキドキ感。ハサミでは切れなかった木も、小刀だとなんとか切ることができる。すごい道具を手にしたと幼いころの私は思っていました。
今回のワークショップの監修をして頂いている松井教授から教わった印象的なことばが、【道具は身体の延長である】でした。熱いものをすくって食べたい。そこでスプーンを使います。裸足で歩くと怪我をするかもしれないから靴を履きます。全ての道具は人間が行うことをサポートするものであり、身体の延長なのです。
その中で、何かを切りたいというニーズは打製石器によって叶えられました。打製石器・磨製石器・青銅器・・・つまり、刃物はヒトの進化に大きく関わったものとして、一翼を担ってきたと考えました。
しかし、昨今では刃物を使うことは大変危険が伴い、「子どもには持たせられない。」という保護者の皆さんも多いです。そこで、木工を学んだ立場から、刃物との安全な付き合い方を伝えたいと考えました。
実施したい事は決まりました。では、【どのように伝えればいいのだろうか?】
直接、子供達に伝えてみたいと思い本番前のプレ実践のためお邪魔したのが、美濃市にある大矢田放課後子ども教室です。
低学年中心の元気な子供達でいっぱいでした。どのように伝えれば伝わるのか?危険な部分はどこで、どうすれば安全なのかを事前にスタッフ間で予行練習していったものの、やってみると大違い・・・。
怪我なく無事に鉛筆削りの方法を伝えたものの、すぐに振り返りを実施して、スタッフ間で色々な意見を出し合いました。
そして迎えた本番当日。天気にも恵まれ幸先の良いスタートと思いきや様々な課題が!?
ワークショップを行う場所に勾配がついており、どのような配置が通りを歩いてらっしゃる方に訴求するのか?一番適しているディスプレイをみんなで知恵を出し合いながら設置。なんとか無事にスタートすることが出来ました。
が、次にお客様の出足が鈍い問題が。。。
すぐにターゲットとなる小学生を対象にして声がけに奔走していたら、少しづつ参加者が増えていき、最終的には参加者が10名以上となり感謝感謝です。
参加頂いた方からは、
「鉛筆は削った事はあるけれど枝は初めて。」
「硬い木もあって難しかった」
「選ぶときに色々な枝があって面白かった」
など色々な感想がありました。また、付録アイテムのペン立てとフォトスタンドが良いと言ってくださる方もいて、教材開発者としては嬉しかったり・・・、ものづくりの魅力を再認識できた1日となりました。
振り返ると、自分だけでは出来ないことや気づけないことをチームで行い、思いを企画に乗せて伝えていく事の難しさや楽しさは貴重な経験となりました。
また、子供の好奇心を最大限に引きのばしつつ、大人の願いを含めた活動というのは奥深く、感慨深いものとなりました。
何より、怪我なく無事に終えることが出来た事は、スタッフとして活動してくれたエンジニア科学生の3人をはじめ、お手伝いいただいた全ての皆さんのおかげです。貴重な経験をいただきましてありがとうございました!
企画担当:クリエーター科木工専攻2年 児玉直樹