次世代住宅設計演習2 温熱・省エネの勘所を磨く(専門技術者研修)
次世代住宅設計演習の2回目を開催しました。
前回は、プランニング演習を行いましたが、今回は「温熱・省エネ設計の勘所を磨く」をテーマにいろいろな演習で構成しました。
最初は、住まい手の光熱使用実績から何の用途にエネルギーを使用しているかを手計算で分解しました。
スマホの電卓機能を利用して、電気のkWhをエネルギー単位のMJに変換して、月別の多寡から暖房はこうなって・・・・という具合に、順番に計算して用途分解シートに記入していきます。
結果、電気とLPガスの使用量が下のグラフのように分解できました。エクセルに打ち込むと比較がしやすくなります。
上が住んでいる建物性能を予測して一般的な住まい方をした場合の計算値。下が住まい手の実績値です。
今回の住まい手の方は、一般的な暮らしの半分くらいしかエネルギーを使用していなくて、かなり省エネな暮らしぶりであることがうかがえます。
下のグラフを見ると住まい手の現在の暮らしが見えてきて、家電(緑)と給湯(オレンジ)で半分以上を占めています。この用途の省エネを考えることが大切ということが見えてきます。
次に、暖冷房負荷演習の復習を行いました。いろいろな条件のもとでどのくらいの熱量が必要かを求めます。
受講生の皆さんも、空気線図と負荷計算シートを手元に、熱心に手を動かして計算しています。
後半は、エネルギー設計の勘所を磨くために様々なパターンで計算していきます。
このエネルギー予測は、パソコンを使って計算します。
断熱性能を倍に高めらたどうなるか、日射熱が入ってこないような小さい窓だったらどうなるか、エアコンを24時間運転するとエネルギーはどの程度増えるか、太陽熱温水器と高効率エコキュートではどちらの方が省エネか、などなど数十パターンを検討しました。
さらに気になる項目があれば、受講生が事務所に帰ってからもどんどん計算してもらいたいです。これを繰り返すことで計算しなくてもだいたいの予想がつく勘所が養われていきます。
教授 辻充孝