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2022年08月24日(水)

森林文化「カーボンニュートラルに向けてできること」東北芸術工科大学 三浦秀一教授

4専攻持ち回りで企画を考えてる「森林文化」の授業。建築担当の今回は、東北芸術工科大学 三浦秀一教授いお願いして「カーボンニュートラルに向けてできること」。特にバイオマスの可能性についてお話いただきました。

本来であれば、リアル講義の方が臨場感もあってよいのですが、コロナの感染拡大もありオンラインでの開催となりました。

まずは、日本の山のエネルギーの歴史に始まり、薪炭利用の変遷から適切に利用された森林は萌芽更新で森林が再生できることを紹介いただきました。(アカデミー生は何度か耳にしてますよね)

「森は再生可能な資源」つまり、薪(バイオマス)も再生可能エネルギーの一つです。
ここにカーボンニュートラル実現の手がかりがありそうです。

続いて、EUでのバイオマスの利活用について、自身の体験談も含めて丁寧に紹介していただきました。
特になるほどと感じたのが、農家と林家を兼業(機会も含めて)されている方も多いとのこと。
というのもコンパクトなバイオマスによる地域熱供給が分散して点在しており、チップ燃料などを地域内で工面しているからこそです。

続いて、建築とエネルギーの関わりについて、山形エコハウスと自邸の紹介です。

どちらもZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)を目指し、太陽光発電+太陽熱温水器が設置され、山形エコハウスにはバイオマスボイラーも導入されています。

共通しているのは、エネルギー消費を抑える工夫として、かなりの高断熱化がされていること。そのうえで太陽やバイオマスのエネルギーで賄い、ゼロエネ化を実現されています。

三浦教授の自邸

後半は、建築単体から地域・街区に範囲を広げて、最上町の実例をまじえた域内のエネルギー循環の話、さらにはエネルギー密度の話と話題が尽きません。

質問時間が前後半合わせて30分確保していましたが、会場からの質問が途絶えることなく、今回のテーマの関心の高さがうかがえました。

三浦先生、ありがとうございました。

教授 辻充孝