平成28年度 施業プランナー研修 技術維持研修を実施しています
施業プランナーとしての基礎的な知識を有する人材に対し、資質維持や、時機に応じた知識を取得するための研修を実施しています。
今回、岐阜大学の篠田成郎教授に講師をお願いして、施業による森林流域環境保全・改善のしくみとその効果に関する簡易モニタリングの方法と題して、講義と実習を実施しました。
午前に森の通信簿手法を用いた森林機能評価実習を郡上市大和町古道の郡上市有林で実施しました。
調査箇所は、平成20年度に間伐を実施したとのことで、間伐後、湧水が間伐前より上側から出てきたようです。これは、山により水が貯えられた証拠とのことです。
森の調査では、第一印象、山崩れ、木の種類、傾斜の向きと傾斜角、折れたり枯れた木、草と低い木、草の種類数と低い木の種類数等を調査しました。
川の調査では、川のにごり、川底の堆積物、川の水かさ、流量を調査しました。
この2つの調査で、土砂流出防止、水源涵養、生態系保全、快適環境、木材生産の状況が分かる仕組みです。また、楽しく、興味が湧くのが森の通信簿のキャッチフレーズとのことで、まさに興味を持って楽しくできました。
午後は、流域環境を改善するための人工林施業の考え方と簡易的な森林機能評価と題した講義を郡上市大和振興事務所で行いました。
まず、午前に調査した結果から森林機能評価をまとめました。
午前の調査によって、森全体の状態がわかり、未来の森の姿が分かるようになります。また、それぞれの地域の森によって、得意な働きと苦手な働きがあって、その森にぴったりな使い方を考えることが大切とのことです。
ちなみに、今回の調査では、木材生産機能、快適環境以外の数値は良い数値でしたが、木材生産機能、快適環境の数値はやや低い数値でした。第一印象的には、気持ちが良い印象の森林でしたが、前回の間伐から8年経っていることにより、胸高直径が大きくなり、混み具合が過密になってきたことによるようでした。
講義では、アユの遡上量の減少は、長良川河口堰だけが問題でなく、森林整備をやってなかったことによる土粒子の流出にも原因があるとのことには、興味をそそりました。