ドイツBW州で学ぶ林業-3 チェンソー防護服
林業の安全確保のための防護服
その最先端を行くPSSで協議をしました。このPSSはロッテンブルク林業大学と共同研究して、「蒸れ対策」と「安全対策」を中心に新商品を開発しています。
PSSの若き社長、Johannes Pfeiffer(兄)、Stephan Pfeiffer(弟)と日本に合ったチェンソー防護服について協議しました。なおここには、ロッテンブルク林業大学のEndさんだけでなく、Dirk Wolff教授も同席して下さいました。
チェンソー防護服の一番の問題は、①耐切創と②蒸れである。そこでロゴでもある5×5(5層構造)とベンチレーション、生地素材改良を改良。
ドイツでは一般的な洗濯物は40℃、白物衣料は90℃で洗濯する。そのため、チェンソー防護服は60度で洗濯しても防護層が痛まないかの試験も実施している。ここで重要なのは脱水機を使用する時に注意が必要である。
蒸れ防止のために湿気を外に排出させたいが、それをし過ぎると防水機能が落ちる。防水機能は降雪時に必要であるし、防護層は汗を逃がしやすいことも重要。
【アカデミー回答】
PSSを仕様しての感想と、学生による①見た目の評価、②ブラインド状態での着心地評価、③作業時の機能評価、④森林内での視認性評価について解説。
ほか、PSS防護服の改良点(①パンツの長さ、②立体裁断、③チョークホルダー、④スケールホルダー不要、⑤ポケットの削減、⑥チェンソーパンツでサスペンダー利用がないこと、⑦ジャケットの長さ、⑧日本使用時での蒸れ対策について説明。
Dirk Wolff教授は林内が暗い場合は蛍光イエローの視認性が良く、林内に色々な色が混じっている時は蛍光オレンジの視認性が良い。しかし最も視認性が良いのは、蛍光ピンクである。
チェンソーパンツの背面部の布は、腎臓保護を目的とするとも言われている。
【PSS】
PSS商品の生地はすべて20km県内で調達できる素材で作られている。
チェンソーパンツの表面はケブラー繊維を利用したものが多いが、現在夏用の軽量モデルとしてコーデュラのもの、より強度あるベクトラン×コーデュラのものも開発中。
写真の右側は、従来の他のメーカー製品の2/3の軽さ、履いても快適。驚きです。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。