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2022年09月28日(水)

サマーセミナー2022②

ロッテンブルク林業大学校舎

【1日目】

早朝宿泊先のホテルまで迎えが来て、いよいよロッテンブルク林業大学校のアテンドによる「summerseminor2022」が始まりました。まずはハイン教授より、ロッテンブルク林業大学校の紹介と、近年のコロナ禍での変化について紹介がありました。

コロナという変化に対応するために、バーチャルフォレストツアーというプロジェクトを進め、林内の情報を3D化し様々な情報を可視化しました。このプロジェクトにはアカデミーOBで現在ロッテンブルク林業大学校の正規学生として在籍している小原(Ohara)くんも日本語翻訳に携わってくれています。

ロッテンブルク林業大学 | 360° 択抜林探索 (36o.de)

その後、学校の施設見学

1500年代から残されている部分と、新たな施設の融合したハイブリッドな校舎でした。「狩猟」「林業工学」「建築」「ペレット」等に関する研究施設と学内の植物園も見学させていただきました。これらの施設では様々な企業から依頼を受けて共同で研究を行っているとのことです。

 

教室に戻り、最初に説明を受けたバーチャルフォレストツアーの体験です。ドローンや林内で撮った情報をVRのゴーグルとリモコンを使って360°の森林の中に身を置く体験です。教室の中にいることを忘れてしまう体験でした。

 

午後は、シュヴァルツヴァルトで行われている択伐林施業地の視察を行いました。

地域のフォレスターベッカー氏に森林の林齢構成や樹高等のデータをもとに紹介していただきます。

視察で森林内を歩いていると、至る所に綺麗なベンチが!森林は多くの人がレクリエーションに使う場所なのでいつでも休める場所が整備されているそうです

シュヴァルツヴァルトを望む展望台からの景色は壮大でした!

幅広いことを見て初日から多くの刺激を受けました。初日から情報量満載で整理が追いつくか心配です・・・

 

【2日目】

2日目のテーマは≪Climate Change:気候変動≫です

ハイン教授から気候変動と適合樹種についての講義を受けた後

Reutlingen市有林へ移動し、フォレスターのフォアバーグ氏から森林で起きていることについて伺いました。この森林は特に他の森林以上にレクリエーションと森林での作業(logging:伐採とculling:動物の間引き)が近い位置にあり、フォアバーグ氏はいろいろと気をもんでいるようです。

そして、気候変動の大きな影響として、針葉樹へのバークビートル(甲虫)侵入が深刻な問題となっているようです。

これには、降水量が影響しており

十分な降雨があれば元気に成長するものの、降雨が少ないことでバークビートルの侵入を許し、成長に必要不可欠な形成層を痛めて枯らしてしまうとのことでした。

 

午後は、forestBWに所属するショーイーター氏とドナーハー氏に「Arboreta and exotic tree stock areas:外国から持ち込まれた樹木の植物園」を案内していただきました。

ここでは、過去140年ほど前から外国から様々な樹木のサンプルを持ち込み育てられています。樹高50mのダグラスファーや、日本のスギなども持ち込まれ育っています。

いろいろ意見はあるかもしれませんが、様々な樹種を持ち込み育てていることで、ドイツの気候でどんな樹木が成長しやすいのか?

今後の気候変動に対してどの樹種が適応する可能性があるのかを検討することができます。彼らによると、オリエンタルビーチやダグラスファーに可能性を感じているようです。

日本からはこんな木も

多くの森林の視察をすると同時に、その背景にある気候変動の影響について考える1日となりました。今と過去を感じ、未来を見据えなければならない。森林に関わる人間として、今後さらに視野を広げて物事を判断しなくてはならないと感じる1日でした。

 

 

報告:新津裕(YUTA)

 

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