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2017年02月15日(水)

『都市への若者流動を食い止めるブータン王国のキノコ栽培』

 本日、Kingdom of Bhutanから『ブータン西部キノコ生産農家の生活向上プロジェクト』の一環で、森林文化アカデミーを訪問され、4つのプレゼンをして下さいました。

訪問者はNational Mushroom Center(国立きのこセンター)のDAWA所長はじめ、研究員や普及員、きのこ生産者さんなど8名、全員がブータンの民族衣装、男性はゴー(Gho)、女性はキラ(Kira)を身にまとわれていました。

森林文化アカデミーでは、森林環境教育から林業、木工、木造建築を核にして、学生のための専修教育だけでなく、専門技術者や一般県民の研修機能、業界団体による企業連合体(森林技術開発・普及コンソーシアム)によるビジネスマッチングなどを紹介。

続いて、会議室で今回のプロジェクトマネージャーである琉球大学の寺嶋芳江教授から、このプロジェクトのねらいやブータン王国の概要などについて報告を受けました。

Project for improvement in conditions of mushroom cultivation famers in the western region of Bhutan

『ブータン西部キノコ生産農家の生活向上プロジェクト』の重要な位置づけなどについて説明を受けました。

ブータン王国は九州と同じくらいの面積の国で、人口は約70万人、主要語はゾンカ語ですが民族の多様性が広く、言語も様々とのこと。首都ティンプーは沖縄と同じ緯度に位置します。

ブータンは農業生産は主要産業であり、主に秋山式のシイタケ原木栽培が主流になっています。

「きのこ」は高血圧や糖尿病にも有効であり、食料品としての人気も高い。

驚くことに、ブータンでは農産地域のきのこ栽培で、若者の都市域への人口流動が阻止できているとのこと。つまり現金収入の少ない農山村では、若者たちは田舎を捨てて都市に行くしかない。

しかし「きのこ栽培」で現金収入があるため、農山村地域に踏みとどまる若者が増えつつある。

栽培キノコは、シイタケ、ヒラタケ、キクラゲ、マッシュルーム、フクロタケが主流。

シイタケは原木栽培主流、他はおが屑やワラ利用によって人工栽培されています。

ブータンには多種多様な野生キノコも見られ、国立きのこセンターではそれらの人工栽培も試みています。

ブータン王国でもマツタケが多く発生し、日本にも輸出されています。しかし地球温暖化の影響を受け、最近はマツタケの発生が減少してきているとのこと。

さて、岐阜県では過去、8年間にわたりブータン王国の7名の方を「きのこ研修」で受け入れていた実績があります。そうしたこともあり、今回は琉球大学の寺嶋先生からのご依頼で、明日は岐阜県内の原木シイタケ生産農家、明後日は菌床ブロック製造センター、明々後日は菌床エリンギ栽培、菌床マイタケ栽培などを学んで頂く予定です。

以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。