『わらび粉職人』元気に地域で大活躍
みなさん、JIRIです。今回は3年前に卒業した前原 融さんを紹介します。
前原さんは現在、岐阜県神岡町森茂で『わらび粉』職人を目指して、基盤づくりに取り組んでいます。写真のわらび畑は飛騨市の私有林で、そこの灌木類を刈り払って火入れをし、わらび畑にしていました。
この場所では約20平方メートルほどから、120kgのわらびの根を掘り出し、それを精製して3.5kgほどのわらび澱粉を抽出したそうです。抽出する過程でこの地区ならではの秘伝の抽出方法を会得したようです。
前原さんは、単に自分のやりたい「わらび粉」を採取しているだけでなく、地域の一員として独身なのに小学校のPTAにも参加しており、農業の繁忙期にはホウレンソウやトマトの収穫、牧場の牛の管理、冬には猟師、極めつけは真冬の除雪作業(ロータリー車運転)までこなしていました。大変だけど、地域にとってはなくてはならない存在になっていました。
わらびの根からわらび粉を採取すると、繊維が残ります。昔はこの繊維を撚って『わらび縄』を作って出荷していたこともあったそうで、前原さんんも挑戦していました。なお「わらび縄」は海で船を係留するのに用いたり、壁の中の竹こまいを編むのに用いられました。これも素晴らしい伝統です。
前原さんの住んでいる地区は、7つの地区を統合して「山之村」と呼ばれている地域で、過疎化が進んでいるものの、まだまだ日本の田舎の生活の知恵が残っている地域でもあります。岐阜県で最高品質のわらび粉が採れるこの地域で、彼の夢が実現することを願うばかりでした。