「パーマカルチャーの現場から学ぶ1&2」で「足るを知る」
オーストラリアはタスマニア島で誕生した「パーマカルチャー」。持続可能な暮らしのデザイン理念として世界中に広まっているこのパーマカルチャーですが、その理念のベースには私たち日本の里山の知恵がた〜っぷりと入ったとっても身近なものなんです。
里山以外にも、「フォレストガーデン(Forest Garden)」や「フードフォレスト(Food Forest)」、「グリーンウッドワーク(Green Wood Work)」「自然建築」など森林文化アカデミーでも度々登場する言葉がやはりパーマカルチャーにも登場します。衣食住そして教育やコミュニティなど総合的なデザインの理念とも言えるでしょう。
そんなパーマカルチャーの先進的な現場を訪ねて学びを深める実習「パーマカルチャーの現場から学ぶ1&2」として先週長野に行って来ました。その時の様子を学生の立山さんが報告してくれましたのでご覧ください。(以下立山さんの報告)
富は足るを知るにあり(パーマカルチャーの現場から学ぶ)
5月22日~23日のパーマカルチャーの現場から学ぶでは、長野県安曇野にあるゲストハウス『シャンティクティ』を見学させていただきました。
到着すると早速『わかちあいマルシェ』なる催しが…
このマルシェは、その人の得意な事、余っているものを持ち寄って分かち合う、風呂敷一枚の小さなスペースでも出店できるマルシェで、食べ物、カフェ、リサイクル品、ワークショップ、マッサージなど特技をなんでも持ち寄れちゃう場所です。
驚いたのが、そのアットホームな雰囲気と平日にもかかわらず小さなスペースにたくさんの人が訪れていたことです。パーマカルチャーの原則である分かち合いや人への配慮が自然な形で実践されているなあと感じました。
つぎに、この素敵な場所を創り上げて来たオーナーのけんさん(臼井健二さん)にシャンティクティのツアーをしてもらいました。その中で印象的だった言葉が「足るを知る」です。もっともっとと求めるのではなく、足るを知って必要以上に消費する生活をしない。そんな生活やけんさんたちの生き方を体現しているのがこの場所であると感じました。
23日はシステムデザインのワークを行いました。シャンティクティでは、エネルギー、水、有機物の流れがどのように循環しているのかをチームに分かれて考えます。ここでは奥様の朋子さんに案内してもらいました。
インタビューをしながら現場をまわり、つながりを考え、まとめました。
このワークを通してシャンティクティのなかでは、住んでいる人だけでなく、ゲストや地域の人、またさまざまなコミュニティを巻き込みながら循環する仕組みを実践しているんだなあということがよく分かりました。
自給自足とか最小限の暮らしというような言葉をイメージすると、どうしても自己完結型になってしまうように思いますが、ここでは自分たちのもつ力だけでなく、外の力も取り入れ、シェアしていく。それがこの場所であり、パーマカルチャーであり、私の目指したい場所だなあと今回の見学を通して強く思いました。
報告 クリエーター科 森林環境教育専攻2年 立山 凪(あまちゃん)