気密性能、防露性能を学ぶ!!
本日は専門技術者研修「パッシブデザイン設計法(実践編)」第四回。
断熱、日射制御ときて、本日は気密と防露性能です。5時間じっくり学んでいきます。
まずは、座学で気密性能の重要性を学びます。
住宅の気密というとどこか息苦しい印象を持たれて、嫌われることもありますが非常に重要な性能です。別に年中閉め切って暮らしなさいということではないんですが・・・。
要は、住まい手が、開けたり閉めたりできる住宅の性能です。
今日は秋晴れの気持ちい天気。こんな日はどんどん窓を開けて外気を取り込んでいくのがいいですよね。ですが、冬はきちんと閉めたい。それができるのが気密性能です。
他にも、ストローに穴が開いていたらうまく吸えないのと同じで、建物にも予期せぬ穴が開いていたらうまく換気できません。そのため、計画的に空気の動きをコントロールできるようにする性能でもあります。
では午後から測定の実践です。
実際に気密測定器をみんなで設置して計測します。
今回はアカデミーの森のコテージで計測しました。
15分ほどで設置が完了したら実際に計測します。
ピンクのチューブが伸びていますが、これは室内と室外の気圧差を計るものです。つまり気密測定(減圧法)は換気扇で外に空気を送り出し、隙間が少ない(気密が高い)と、室内の気圧が下がりますが、隙間が多い(気密が悪い)と気圧が下がりません。これを計測して数値化するものです。
最近の住宅は気密をあまり意識しなくても合板など面材で作られるようになって自然と向上してきており、気密性能(相当隙間面積)C値は4~5c㎡/㎡程度です。これは、床面積1㎡あたり4~5c㎡の隙間があることを意味しています。
高気密を目指している人は1c㎡/㎡を切っている方が多いです。昔の住宅は20c㎡/㎡以上もあることも・・・。
ではアカデミーのコテージはどのくらいでしょう。
木製建具で引き違い窓があったりと気密性能にとっては微妙な仕様もたくさんあります。開学時の2001年当時はそこまで気密の重要性大きく扱われていませんでした。
結果は・・・。まあ、私の想定通りです。
測定中は負圧になるため部屋のいたるところから隙間風が入ってきます。
そこで、施工監理でどの程度向上できるか、受講生と一緒に養生テープでできる限りふさいでみました。
再計測するとC値も3c㎡/㎡以上削減されてました。それでも、まだまだ隙間がありました。
午後からは、ひたすら結露対策の計算です。
防露設計は設計をするうえで必須の計算です。温熱性能の高い家をつくると中は暖かく外は寒い状況が出来上がります。そうすると内外温度差が付いて結露に関しては厳しくなるからです。
ですが、しっかり対策すれば恐れるに足らず。知らなければ未知の恐怖に怯えるだけです。
今回も結露計算の宿題を出して終了。しっかり復習してくださいね。再来週の復習編では、もっといろいろなパターンの計算をしていきます。
准教授 辻充孝