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2017年02月01日(水)

森林環境教育活動を視察しました

エンジニア科1年科目「森林環境教育概論」では美濃市内で行われている2つの活動を見せていただきました。

ひとつめは、美濃市ふれあいの森で活動している、「美濃市古城山環境保全モデル林連絡協議会」の主催で、一般市民を対象に定期的に開催されている体験イベントです。

 

今回は「火起こし」がテーマでした。メイン講師はアカデミー卒業生のHさんでした。

Hさんは、アカデミー在学時に課題研究で火起こし体験プログラムを研究されており、今回はそのスキルと経験を活かして練られたプログラムでした。

 

 

参加者の皆さんはご家族連れが多く、お子さんには難しいのではと思いましたが、3人が協力して行う方法であったため、声かけ等、チーム内のコミュニケーションが活発になっていました。

早い遅いの差はありましたが、全5チームとも火をおこすことができました。また、その火を集めてご飯炊きをし、おいしくいただきました。

 

 

アカデミーチームはいったん会場を離れ、同連絡協議会のイベント参加者等で整備を進めている広葉樹林で除伐作業をさせていただきました。

 

除伐した細い広葉樹(アラカシ、ソヨゴ等)はトラックで運び、構造物の材料等に使えそうな幹を除き、それ以外をチッパー機(樹木粉砕機)にかけ活動場所の広場に撒きました。

 

 

美濃市古城山環境保全モデル林連絡協議会では、森を育てながら、手入れ時に発生する資源を簡単な構造物の骨組みや杭や階段の横木等に利用し、用途のない細い幹や枝葉はチップにして活動広場の整備に使っていました。「木を使いながら森を育てる、森を育てながら木を使う、そのために必要な知恵と技、地域の人の絆がある」、という少し前まで当たり前であった、里山と人の暮らしの密接な関係を改めて学ばせていただきました。ありがとうございました。

 

二つめの視察先は、美濃市長瀬にある下牧保育園における木育活動です。

下牧保育園では、森林文化アカデミーをはじめ、美濃市で活動しているNPOやボランティアの協力を得て、数年前から木育活動に取り組まれています。

今回は、その活動に関わっている3者の方々のお話をうかがうことができました。

初めに、美濃市の片地地域の共有林や、身近な里山林に様々な形で関わっているボランティア団体「山の駅ふくべ」の方が、会の目的や日頃の活動の様子について説明してくださいました。

 

次に、ウッドスタート(美濃市で生まれた子供に木のおもちゃをプレゼントする事業)の運営に協力してきた方から、美濃市の森の木を使うことの大切さやそれを実現するための苦労話をうかがいました。

3人目に、アカデミーで木工を学ばれたOBのHさんから、ヒノキの枝を利用した幼児向けの遊具「隠れ家」制作を通じて、保育園の木育活動に関わることになった経緯等についてお話をうかがいました。

最後に、N園長から、木育活動の成果と地域の自然と人をつなげることの大切さについてお話がありました。

残った時間で、園児たちとの交流です。

じゃんけん列車でアイスブレイク。

だいぶ打ち解けてきました。

気に入られると隠れ家に招待してくれました。

 

今回二つの活動を見て、それぞれの思いや異なる目的を持つ人たちが、「森林環境教育」や「木育」という手段を共有し、下牧保育園という場でつながっていることが良くわかりました。

「森林環境教育」や「木育」という活動は、まず人々の思いが無ければ始まらない、かといって思いだけでは広がらない、続かない。それには異なる立場の人たちがそれぞれの視点で活動に関わりながら、互いに協力することで、よりそれぞれの思いの実現に近づけることを楽しめることが一番大切なのだということを学ばせていただきました。

ありがとうございました。

以上、報告は原島でした。