森を楽しみ 森で学ぶ 森のじかん(美濃加茂市 山之上小学校)
2020年に森林文化アカデミーにオープンする森林総合教育センター(仮称)では、小学校のカリキュラムと連動した森での活動を行うことを目指しています。アカデミーの敷地を飛び出して県内各地で地元の森林で活き活きと遊び学ぶことがお手伝いできたら、なんて妄想は膨らみます。
試行の一環として美濃加茂市の山之上小学校にご協力いただき、森林での活動をカリキュラムとして学びに結び付けることができるか、どのような課題があるのかを知るための実験的な取組み「森のじかん」第2弾を6月18日に行いました。
協力していただいたのは、1、2年生。本当にありがとうございました。
前回、5月に行ったときには、1~3年生それぞれ1時間分をいただき「森のじかん」を行いましたが、移動時間等を含めると実質40分ほどしか体験できませんでした。子どもたちの反応もとてもよく、学習との結びつきも十分にある、と先生方からも高評価いただけたこともあり、今回はテーマを絞ったうえで、各学年2時間分をいただき「森のじかん」を行いました。
今回「森のじかん」として行う授業は、1992年から小学校1,2年生に設置された「生活科」(理科と社会を合わせた教科)。児童が身近な人や社会,自然と直接かかわる活動や体験を重視する教科であるため、体験を通して学びを育む「森のじかん」との相性はバッチリです。
単元は、1年生は「春をみつける」、2年生は「いきもの大好き」。
「じゃあ虫でいきましょう!」森で体験できることがどんどん沸いてくるナバさん。
2年生からはじまります。
元気いっぱいの子どもたちに森の生き物を集めてもらいます。ルールは簡単。
森の中の虫を厚紙を使って、そっと透明なコップに落として捕まえます。1つのコップには1種類の虫を入れておくこと。班の仲間は違う種類の虫を捕まえること。
厚紙を下に敷き、コップをひっくり返せば、虫の観察も簡単にできます。
「スタート!!」の掛け声とともに森に走り出す子どもたち。「ここにいるかな?」「葉っぱの裏じゃない?」声を掛け合いながら探していきます。
「見つけた!!」。やっぱり今回も出ました。大ゴキブリ。森に住んで枯れ木などを分解してくれる重要な役割を果たしてくれています。家で見たら卒倒もののゴキブリも森の中ではレアキャラ。
森の中でアシナガバチの巣を発見しました。「大きな音を立てないで」「そーっと動いて」とお互いに注意しながら安全な距離を保って観察してみます。危険だから遠ざかる、排除する、のではなく危険な生き物とも共存できる方法を体験していきます。このあと、周囲にロープを張って安全確保をしました。
次は捕まえた虫たちをみんなで観察する「森の動物園」の時間です。森の中にあるものを使って飾りつけをして、一番のレアな虫を目立つところに持ってきて、と壮大な展示が始まります。すてきな展示ができました。ナイスセンスです。
「うーん、どんな風に飾ろうか?」「ここを押さえておくからそっちをひっかけて」など、自然にチームビルディングにもなってますね。
次の時間は1年生。2年生と同様に虫を捕まえに行きます。
虫が得意な子も、そうでない子も、一生懸命探しました。コクワガタも発見。
捕まえた虫を展示する「森の動物園」は班ごとに森の中にあるもので飾りつけし、その場所をめぐるコースをロープでつくります。葉っぱのチケットを支払ったら「森の動物園」を回ります。「どんな虫がいるの!?」「飾りがかっこいい!!」みんな何周もします。
ステキな展示の数々にみんなワクワクが止まりません。
小学校のカリキュラムに連動した活動を森の中でやってしまおう、というねらいの今回の実験的な取組みですが、担任の先生方からは、「子どもたちは非常に楽しそうだった。」「自然の中で体験を通して出ないと学べないものがある。」などの感想をいただきました。
今回は「生活科」でしたが、授業内容的には図工との相性もよさそうなことが分かりました。これからの活動に活かしていきたいと思います。
山之上小学校の1,2年生のみなさん、担任の土田先生、小林先生、子どもたちと森とのつながりにご理解いただいている長尾校長先生、遠藤教頭先生ありがとうございました。今後もよろしくお願いします!!
森林総合教育センター(仮称)鈴木でした。