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2023年05月22日(月)

林業経営を体感しよう!

2日間にわたりクリエーター科の1・2年生を対象に林業経営の授業がありました。小規模な森林所有者が多い日本では、自ら所有する林地だけで生計を立てている人は少数です。小さい林地をとりまとめ、機械を使って集約した施業がしやすいよう、森林所有者に対して営業を行い、事業を設計していく提案型集約化施業を行う事業体が林業のメインプレイヤーです。

 

事業体であるからには、技術者や事務職員を雇用し、機械を投資し、会社としての経営を回していく必要があります。そんな林業経営の肝を理解してもらうために、今回の授業を企画しました。

 

講師は(株)鹿児島総合研究所の新永先生、鹿児島大学の牧野先生をお招きしました。

 

新永先生からは事業体の経営を回すために必要な会計についてレクチャー頂きました

 

まずは会社の計画を作成します。どんなシステムを作成するのか、人件費はいくらにするのか、
小さい林業機械を入れて小規模に間伐していくのか、はたまた将来の人材募集と育成を見越して、給与を高めにするのか、自らが経営者の立場になって計画していきます。

 

そして実際に図面上で、事業地を作成していきます。蓄積がたくさんある林分、一人の所有者で大きな面積を持っている林分を自由に施業できると思いきや…

 

実際に見積金額を計算した提案書を持って、営業に行きます。
そして断られることも…笑

プランナー役の学生が、森林所有者役の学生に提案営業しました。会話の中身は想像です笑

 

場合によっては所有者が見つからないこともあります。

実際に図面をもとに事業地候補を探していきます。検討ついたら提案書を作って営業をかけます。図面上の×印が所有者から承諾が得られなかった事業地です。このように当初実行したかった事業地ができないことも。

 

実際に森林組合で提案型集約化施業を行った先生がプログラムを作っており、
リアルな体験ができました。提案を所有者に行う際の心の持ち様、準備、対応方法など丁寧に教えて頂きました。

 

牧野先生からは集約化を行うためにはどんな手続きが必要なのか、森林所有者への対応、事業設計のポイントなど、様々な実務的なポイントを教えて頂きました

実際に施業した結果、損益計算書を確認。赤字の班や黒字の班いろいろあります。なぜ赤字になったのか、黒字転換するためには何が必要か、チームでディスカッションしました。

 

1,2年生の合同授業です。班に分かれてディスカッションしながら経営の計画作成、事業実施、計画の立て直しを行いました。

 

 

林業経営についてみっちりと考えた2日間でした。林業の主体は、大規模森林所有者、素材生産会社、自伐型林業などたくさんあります。どの主体も人、機械、お金といったリソースを使いながら活動しています。どのスタイルがいいのか、それぞれの理念や目標はそれぞれです。正解はありません。しかし、目標を達成するための、しかるべき計画はあります。そんなことを学んだ2日間でした。

 

林業専攻 杉本