今年も専業林家さんから熱いメッセージをいただきました
今年もエンジニア科の新入生が、山県市で林業を営む中原さんの山林を訪ねました。
140年生から8年生の、様々な成育段階の人工林を見学しながら、林業の本質について、そしてこれからの学び方について、お話を聞かせていただきました。
入学直後ともいえるこの時期にエンジニア科の学生が林家を訪ねても、技術的なことはちんぷんかんぷんでしょう。森林施業の技術を学ぶのであれば、もっと知識を貯えてからの見学の方が、ずっと効果的なことは確かです。
にもかかわらず、あえてこの時期に専業林家を訪ね、山を見せていただきながら話をお聞きするのには、次のような意図があるからです。その意図とは、これから学ぶ林業について、
- 林業には哲学が大事なことに気づいてほしい
- 林業がどういうものなのかということを感じてほしい
- 大きな時間の流れの中で林木を育てるということを意識できるようになってほしい
- 専業林家という人がいて、独自の工夫で今の時代に対応する林業を展開していることを知ってほしい
ということです。
お訪ねした中原さんもこちらの意図を十二分に汲んでくださり、学生たちに、いまの専門知識レベルでも理解できるような言葉で、多くのことを語ってくださいました。
学生のレポートから、彼らの心に響いた言葉をいくつか抜粋してみましょう。
- 時間を投資できなければ林業はやれない。
- 山に100年携わらなければ、山のことはわからない。
- 今の林業は作業が個々に分断されているため、そこに育つ林木について知ることができない。
- 答は一つではなく、複数ある。
- 何事にも疑問を持って取り組むことが大事。
- 山は倉庫だ。
- 年輪は1年に一つずつできる。だけど1年に一つしかできない。
- 木は年輪の缶詰。
わずか半日の見学でしたが、学生が得たものは大きかったと思います。それは、学生がレポートに綴った自らの思いからも伺えます。中原さん、ありがとうございます。
報告:横井秀一