パッシブデザイン設計法、始まりました。
専門技術者研修「パッシブデザイン設計法(実践編)」がいよいよ始まりました。自然エネルギーや地域特性を考えた設計法を身に着けようというものです。
全6回の連続講座で、12月までの毎月第一日曜日、朝から夕方までの長丁場。休みの日なのにみなさん熱心です。
15人の定員の少人数だからこそ、じっくり質問も聞きながら進めていきます。
初回の今日は、私の考えるパッシブデザイン設計法の目的と全体像のイメージ、実際にどのように活用したのかを話します。
一般的にパッシブデザインというと、単に日射熱利用で暖房エネルギー削減だけあるいは、昼光利用や通風利用で、冷房や照明エネルギー削減を指すこともありますが、それだけにとどまらない考え方が重要だろうと思います。
その土地や地域の歴史や素材、建物形状、自生の植栽など、その場所ならではの特徴を読み取ってデザインする。例えば、美濃市には「うだつのあがる町並み」という伝建地区に指定されたきれいな整った町並みがありますが、大火の歴史から生まれたうだつや、土壁・漆喰、軒高さなど、その土地ならではの造形になっています。これら歴史や地域の素材から出来上がった土地固有の造形も、パッシブデザインの一つであると考えています。
この講座ではそういった広い意味でのデザインも意識しつつ、気象条件や暮らし方にかかる温熱環境やエネルギー設計を中心に学んでいきます。
初回の今日は、気象データと読み取りから、地域特性の読み方、暮らし方の分析など、設計の基本となる条件を分析していく手法を学びました。
これらの情報をもとに一歩一歩、自分自身の設計法を考えるきっかけにになれば幸いです。
准教授 辻 充孝