【手計算で挑戦!】 木造の許容応力度計算
木造建築の新しいかたち(その219)木質構造に関する住育の取り組み
実務者のスキルアップをする住育:専門技術者研修「木造建築の許容応力度計算演習」を開催しました。この一連の研修は全5回となっていて、モデルプランに基づいて構造計算をひととおり実施する研修となっています。
第3回は『柱の長期軸力について』、『柱頭柱脚接合部について』、『横架材端部接合部について』を研修しました。構造架構の構成の仕方によって、同じ個所の部材であっても生じる部材応力をコントロールできることなどを研修しました。。また、水平構面の設計(地震力に対する検定)、水平構面の設計(風圧力に対する検定)、各部の設計(柱の軸力算定)、柱頭・柱脚の接合金物の検討、水平構面外周横架材端部の検定について、手計算による演習をおこないました。
回を追うごとに、徐々に構造計算らしいむずかしさを参加者の皆さんは感じ始めているのではないでしょうか。しかし、研修は折り返し地点に到達しています。あと残りの研修を楽しみながら受講していただけますと幸いです。
直接研修の話ではありませんが、昨日、この研修のテキストで利用しているグレー本「木造軸組工法住宅の許容応力度設計」の企画発行者である公益財団法人 日本住宅・木材技術センターの方々が、森林文化アカデミーへ来校しました。アカデミーにてグレー本をテキストにして構造研修を行っていることは御存じのようでしたが、5か月の期間にわたって木構造の研修を実施していることには驚かれていました。
さらに、日本住宅・木材技術センターさんは国土交通省大臣の指定性能評価機関でもあり、大臣認定などの試験業務なども行われております。森林文化アカデミーの木材開放試験室でも指定性能評価機関さんへの御協力もこれまでさせていただいております関係で、森林文化アカデミーの木材開放試験室の視察をされました。
構造設計や構造解析など構造的検証のベースとして材料試験や構造試験があります。今後、試験場や試験機器の整備などについても日本住宅・木材技術センターさんなどの指定性能評価機関さんより、ご助言いただけるといいと考えています。
教授 小原 勝彦