岐阜県の木工系教育機関3校合同プロジェクト 〜試作・完成編〜
森林文化アカデミー(美濃市)・森林たくみ塾(高山市)・飛騨職人学舎(高山市)の3校が合同で取り組んだプロジェクトの報告です。
塗料メーカー・関西ペイントブラーノから「塗料とあわせて販売する木工品を開発したい、ユーザーが白木の木工品に色を塗って楽しむ新市場を開拓したい」という依頼を受け、木工品をデザイン・試作するものです。3校の2年生で混成チームを組んで取り組むことは、先の投稿でお伝えしました。
6月24日(土)、3校の教員・学生たちは、飛騨職人学舎が入る飛騨産業本社に集合。ここで3チームがデザイン・試作の途中経過を発表しました。「学校対抗」ではなく「混成チーム」のため、それまで学生たちはLINEなどで連絡を取り合ってデザインを検討してきたのです。
写真のように各チームが「塗って楽しめる木製品」のデザイン・試作の途中経過をプレゼンし、教員たちから製作に当たってのアドバイスを受けました。
次に森林たくみ塾工場長の平野良尚さんによる、原価計算の講義。(飛騨産業の本社で、ライバルでもあるオークヴィレッジ系列の森林たくみ塾教員が講義をするというのは画期的なこと!と、個人的に感動していました)
続いて、飛騨職人学舎を見学させてもらいました。
3校とも、それぞれに特色のある教育を実践しています。飛騨職人学舎の学生が作った手の込んだ仕口(接合部分)の作品には、他校の学生たちが興味津々でした。
7月29日(土)、今度は森林たくみ塾に3校が集合です。3チームはあらかじめ準備をしておき、この日1日で作品を完成させ、翌日の審査会に臨むことになっていました。
たくみ塾の施設を使わせてもらい、3チームが製作をスタート。3校の教員たちが、他校の学生たちを指導する場面も見られました。(これも画期的なこと!と個人的に感動していました。感動してばかり)
当初は17時に作業を終えたら楽しく懇親会を!と思って準備をしていたのです。しかし作業は終わらず、食べ終わったら工房へ戻ることに・・・。
夜遅くまで作業が続きました。
「塗って楽しめる木製品」がテーマなので、美しく塗装したサンプルも作らなければなりません。
作業が終わったのは何と22時過ぎでした。でも、3チームの学生たちはみんな楽しそう。他校の学生と交流しながらの作品づくり、通常の実習とは違う学びを得られて刺激的だったようです。
審査会の結果はこちらからご覧ください。
3校はこれからも連携して、ますます質の高い木工教育を実践していきます!
久津輪 雅(木工専攻・教授)