木材の名前、言えるかな? エンジニア科の授業「樹木と木材の同定」木材回
「これ、何の木でできてると思う?」
仕事や研究、趣味……樹や木材に関わっているというお話を人にすると、どこかで必ず訊かれる質問です。
木材には樹種ごと、年齢(樹齢)ごと、切った部位ごと、切りかたによってさえ色々な種類があり、色々な性質があり、用途から見ると向き不向きがあります。
それぞれの木材の良さを活かせているか=「適材適所」かどうかが、木のモノづくりの鍵です。
木材の樹種や特徴が分からなければ、作られたモノの良さは分かりません。
伐った木が本当にうまく活かされているかどうか、そのために作り手がどんな努力を注ぎ、工夫を凝らしているか。
「この木が何に使われているか分からない、なんで使われているか分からない」では、木に関わることの面白さ、やりがいには繋がりません。
樹を伐り出す伐り手、その木材を使ってゆく作り手、どちらを目指す人にとっても、木材を「みわける」=「見て分かる、理解する」技術には大きな意味があります。
ということで今年も始まりました、エンジニア科の授業「樹木と木材の同定」木材回です。
「樹木と木材の同定」では学内や演習林などをめぐって幅広い樹木の見分けも行っています。
木材と合わせることで、樹木として生えていた頃はどんなところに生えていて、どんな生態で~と繋げて知ることができるお得感(?)があります。
木材回は木工専攻の渡辺先生と木造建築専攻の上田で担当しています。
まずは木工専攻で製作の樹種サンプルを手に、樹種ごとの特徴や質感を体験します。
針葉樹ど~れだ。
似てる?ということは、近い種かな……?
樹種ごとに、見分けのポイントを説明します。
他の樹種とも比べてみて、「なるほど~~!」
一通り説明したところで、さっそく実践!
指示した順で樹種を並べてもらいます。
各班で相談しながら進めていきます。
いち早く完成したチーム。頼もしいですねえ。
樹種当てゲームが始まりました。
「親」が1枚ずつサンプルを取り出し、当てた人が貰えるというルールです。
授業の限られた時間のなかで学べる遊びを開発してしまう学生たち、恐るべし……
後半は実際にそれぞれの樹種でつくられたモノを前に、用途や適材適所について理解を深めます。
どの地域で作られたか、その地域の文化や木材生産は…‥‥など、モノと触れ合うことでより多くのことが分かります。
見た目や手触り、硬さ、重さなど……
「適材適所」の体験です。
学内には、建物をはじめ様々な樹種でつくられたモノがあちこちにあります。
これからの学生生活でたくさん触れながら、木材の使いかたについて学びを深めてもらえることを期待しています。
教員:上田 麟太郎