自力建設2023テーマ「屋外階段(仮)」
23年目の自力建設の課題を発表しました。
今年度のテーマは「屋外階段(仮)」
この春に卒業した卒業生が教職員に行ったアンケートからテーマを設定しています。
フォレスト・ラボは3つの建物からなりますが、階段が両端にあるだけで、真ん中の人が下りようとすると、どちらかにグルッと回りこむ必要があります。
しかも、夕方以降はセキュリティの関係で、片側が施錠されてしまい、さらに動線が伸びてしまいます。
この不便な動線を解消しつつ、アカデミーでの学びをより充実させるためのアイデアも盛り込んだ建物を考えるという課題です。
さっそく、計画地となるフォレスト・ラボの中庭周辺を見て回りました。
もともと田んぼを改良して校舎を建設しているので、校舎間はスロープや階段が至る所にあります。
積層された格子の向こうに緑が見え、少し上を見上げると空への抜けがあり、特徴的な空間になっています。
上下移動の階段の機能性を充足させつつ、さらに魅力的な空間に仕上げていくにはどうするか。
いろいろイメージが膨らみます。
さっそく現地を見てきた学生に、30分ほどでインスピレーションを形にする時間を持ち、お互いにプレゼンしました。
光に焦点をあてて考えたり、隣を流れる川へのイメージを拡張したり、動線にこだわったりと、短い時間の中でも面白いアイデアが次々と出てきます。
このあと、じっくり時間をかけて計画を練り上げ、全学生、全校生にむけてのプロポーザル・プレゼンテーションが5月30日に開催されます。
さて、どのような提案が出てくるのか、楽しみです。
教授 辻充孝
課題文------------------------------
自力建設2023 屋外階段(仮題)
■自力建設テーマ
アカデミーは林業・森林環境教育・木工・木造建築の4専攻とエンジニア科が交流し共に学び合う場である。この学びをより促進していくには、お互いの場所へスムーズにアクセスできることが重要である。これまで、自力建設2013「おうらいの茶の間」や自力建設2021「木立のこみち」により、学内のアクセスを改善してきた。
現在、フォレスト棟の2階へのアクセスはメディア棟の大階段もしくは東側の階段となるが、施設利用時間外はメディア棟が施錠されるため、特に西側からのアクセスがしづらくなっている。
そこで今年度のテーマは「フォレスト棟の西側の屋外階段」とする。
計画地はフォレスト棟西側とメディア棟の間の空間とする。フォレスト棟西側に新たに階段を設置することによって、1階~2階へのアクセスや、フォレスト棟からウッド・ラボ棟などへのアクセスが改善される。
提案にあたっては、屋外階段としての機能を充足させつつ、各専攻の交流を促進する機能や周辺で不足している機能を併設するなど、アカデミーらしい案を期待したい。
例えば、以下の施設の併設が考えられる。
・学生間の交流を促す空間や仕掛け
・衛生的な観点から独立したパウダールームや歯磨きができる専用空間
■必要機能
・安全に昇降できる階段とすること。階段の適切な寸法を踏まえること。
・構造的・防火的な安全性を満たしていること。特に、避難時など一度に多数の人が載った際の安全を考慮すること。
上記に加え、施設や機能を併設する場合は、それらに求められる安全性や性能を満たしていること。
■想定施主
津田 格 教授
■主な想定利用者
林業専攻、森林環境教育専攻、エンジニア科の学生ならびに教員
■予算
150万円(予定)以内(学内から算出される木材は除く)
自力建設2023 「ほとりの櫓」のこれまでの記録はこちらのページからご覧いただけます。