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2022年12月21日(水)

家具業界最大手・カリモクの見学 ③ショールーム

製材工場製作現場に続き、ショールームも見学させていただきました。ショールームの入り口には家具に多用されている樹種の木材サンプルが展示されており、その横に売れ筋商品であるリクライニングチェアーの「ザ・ファースト」などが展示されていました。

家具に多用されている樹種の木材サンプル

家具に多用されている樹種の木材サンプル

売れ筋商品であるリクライニングチェアー「ザ・ファースト」

売れ筋商品であるリクライニングチェアー「ザ・ファースト」

ショールームは1階から5階まであり、各フロアには異なるコンセプトの家具が展示されています。人気商品や需要の高い学習机などのキッズ家具が一階に配置されており、お客さんが入りやすいように工夫されているように思えました。ここに訪れたお客さんが実際に実物に触れながら家具を選ぶことができ、ショールームの一角にある3Dシミュレーターを使えば、家具を配置したイメージも見ながら家具を選ぶことができます。

5階はラグジュアリーがコンセプトの「ドマーニギャラリー」

5階はラグジュアリーがコンセプトの「ドマーニギャラリー」

家具を配置したイメージを再現する3Dシミュレーター

家具を配置したイメージを再現する3Dシミュレーター

 ショールームの所々に家具製作の工程や背景にあるストーリーを紹介する展示がありました。例えば、イス製作の工程を見せる展示では、資材入荷から塗装までの一連の作業を紹介しており、循環型社会を実現するための工夫に関する展示では、未利用材・低利用材の利用などについて情報を発信していました。

椅子製作の工程を紹介する展示

椅子製作の工程を紹介する展示

循環型社会の実現に関するポスター

循環型社会の実現に関するポスター

 カリモク家具は未利用材・低利用材などを積極的に活用しており、小径木をふんだんに使った「HARU」「OMI」シリーズを販売しています。今まで利用されていなかった小径木や曲がり、節がある材のきれいな部分だけを短くカットし、フィンガージョイントで継ぎ合わせて使うことで、木材を無駄なく活用しています。また、柔らかく家具には不向きとされる針葉樹も小さな幅でカットしてから再構成することで、強度を大幅に改善し家具部材として使えるように工夫しています。

小径木を使ったテーブル

小径木を使ったテーブル

家具を作るにあたって必要不可欠な木材ですが、今の日本は森林率約67%に対して木材自給率は約40%です。国産材の活用が進まない背景には外国産材の加工のしやすさや価格競争力もありますが、日本の森が多種少量の木々で構成されていることも関係しています。

持続可能なものづくりから健全な森を育成すること、そして、作り手はもちろん消費者も、モノの背景を理解してどんなものを選ぶのかは今後ますます必要になる視点だと思いました。

 

文責:井上真利(クリエーター科木工専攻2年)ヤップ・ミンリー(同)山﨑葉子(同1年)