木工専攻
卒業生の進路

丹羽 茄野子

マルチワークの1つとして、木工を仕事にする

丹羽さん

プロフィール

1994年生まれ。愛知県出身。大学で音楽を学んだ後、ものづくりの道へ進みたいと思い、森林文化アカデミーへ入学。クリエーター科木工専攻に在籍。卒業後は図書館職員として働く傍ら、自宅の工房での木製品の製作や、ナイフを使ったものづくり講座の講師などを務めている。


質問1)今の仕事内容を教えてください。

 普段は、愛知県小牧市にある「小牧市えほん図書館」で職員をする傍ら、ものづくりの仕事を行っています。アカデミー卒業後にどのような道に進もうかと考えていた時、それまでに自分が身につけた知識やスキルを活かした仕事をしながら、並行してものづくりを続けていく方法もあるのだと気づき、今のワークスタイルに至りました。えほん図書館では、絵本の選書をしたり、おはなし会やイベントを企画して行なったり、子ども達に良い絵本をお届けするお手伝いをしています。
 一方で、図書館の仕事が休みの日には、自宅の工房で木工製作をしています。例えば、アカデミー在学時の木工専攻の同期であり、現在デザインの仕事をしている友人からの依頼を受けて、木製キャンプグッズの製作などを手がけています。また、アカデミーの木工専攻の先生と一緒に、ナイフを使ったものづくりを楽しむ「おとなと子どもの里山ナイフ教室」を行うなど、作る体験を伝えていく活動にも取り組んでいます。

えほん図書館でのお仕事

木工の仕事

質問2)今の仕事で大変だなと思うことと、やりがいを感じることを教えてください。

 やはり、仕事の両立には難しさを感じます。図書館の勤務の都合上、まとまった休日をなかなか取ることができないため、連続した製作時間の確保が難しいことが課題です。制作工程が計画しにくく、焦りを感じることもありますが、限られた時間の中でなるべく効率良く、ただし品質にはしっかりとこだわって製作することを心がけています。一方で、私の仕事のスタイルは、関わっている方との信頼関係があるからこそできている、と思っていますし、そこにありがたみを感じなから仕事をできることは、とてもやりがいがあります。
 図書館の仕事でいえば、私はもともと子どもと関わることが大好きだったので、多くの子育て世代が利用する「絵本」に特化した図書館で、本や子ども達と接することができるのはとても楽しいです。また木工の方では、「ナイフ教室」などの体験の場で、参加者が作ったり木に触れたりすることを満喫している様子を見ていると、本当に嬉しく思います。このようにどちらにもそれぞれのやりがいを感じているのですが、片方の仕事で大変なことがあったり悩みを抱えたりした時に、もう片方の仕事を行うことが心の支えになるなど、仕事を両立させることによるメリットもあります。また、図書館のイベント企画で木工という分野が活かせるなど、自分の中で双方が関わりあえているのを実感できることも、大きなやりがいの一つです。

ナイフワークショップの指導

子ども達のナイフ体験

質問3)アカデミーの学びで役に立ったことは何ですか?

 多様な人の話が聞けたこと、そして様々な授業を受けられたことです。学生、先生方を含め、アカデミーには多様なバックグラウンドを持つ方が集まっています。大学を卒業後、社会に出る前にアカデミーに入学した私にとって、年齢も経歴も異なる多種多様な方々との出会いは、とても刺激になりました。また、「樹木同定」という授業で得た知識は、実際に「ナイフ教室」で里山に入って木を採る際に、木を観察したりその特徴を伝えたりする上で大変役立っています。それに、なにより木や自然をとても身近に感じられるようになりました。普段の生活の中での楽しみが一つ増えたような感じです。

ナイフ教室の作品たち

質問4)今の仕事をしていく上でのモットーは?

 来たチャンスを大事にすることです。一つ一つの機会を次に繋げていけるよう、自分なりにきちんと向き合うことにしています。