石井 学
スギ、カラマツ。身近な山の木を使った家具作り
プロフィール
1973年生まれ。埼玉県出身。美濃市在住。
大学の建築学科を卒業後、ハウスメーカーに勤務。
退職後、職業訓練校木工科を経て、2001年に森林文化アカデミーに入学。
クリエーター科ものづくり研究会(※現在の「木工専攻」)にて、スギ材を使った家具の研究などに取り組む。
卒業後、岐阜県美濃市に家具工房AC CRAFTを開設し、家具の制作活動をしている。
木の家具 AC CRAFT公式ホームページ
質問1)今の仕事内容を教えてください。
主にスギ・カラマツ材を用いた「身近な山の木シリーズ」の家具・小物の制作・販売をしています。
質問2)今の仕事で大変だなと思うことと、やりがいを感じることを教えてください。
制作は、それ自体が「頭・体・道具使いの修練」にもなるのが良いところだと思っていますが、
体力的なきつさがあったり、思ったようにできるまで時間がかかったり、と大変な面があります。
それらをなんとか乗り越えて、仕事で喜んでいただけたときに、一番やりがいを感じ、ビールが美味しいですね。
質問3)今の仕事を通して社会にどんな貢献をしていると感じますか?
貢献というほどのことでもないですが、今の日本の森林に豊富に存在するスギ・カラマツ材の、知られざるその良さに、少しでも興味を持っていただけたら…嬉しいです。
質問4)アカデミーに入学を決めたきっかけは何ですか?
職業訓練校時代に、広葉樹の良材が減ってきていること、反対に、植林された針葉樹が日本の山に多くあり、その木が使われないことで森林が荒れてきていることを知りました。
それで、家具にどのような材を使っていくのが良いのかな…と思い始めていたときに、「森を見据えたものづくり」といった内容のアカデミーの雑誌記事をたまたま立ち読みし、興味を持ちました。
質問5)アカデミーの学びで役に立ったことは何ですか?
入学後すぐに、他分野の授業やイベントに参加でき、良いと思って色々なところに顔を出していましたが、どれにしても自分が無力であることを痛感しました。それで、まずは自分の専門分野で力をつけなければ…と改めて感じられたのは、良い学びでした。プロジェクトで、お客様のいる制作(しっかりとプレッシャーのかかる制作)をさせていただいたのも、貴重だったと思います。
質問6)専門分野以外の授業やプロジェクトで、役に立ったものはありますか?
木造建築コースの授業で、建築家の方のお話を伺ったり、これはよい空間だな・良いデザインだな…と体感できる機会が度々あり、その後の価値観に影響を受けた気がしています。
質問7)アカデミーの学生生活で印象に残ったことは?
開学直後で、あれもこれも新鮮で、先生方も事務の方も学生も混ざり合い、やりたいことにトライしようとしていて、混乱していて(良い意味で)、自由で、刺激的で、よく飲み会をしていたのが印象に残っています。
質問8)アカデミー入学前の仕事が、今に活きていると感じることはありますか?
ハウスメーカーで住宅の設計に関わる仕事をしていました。
家具も住宅の一部ですので、家具の機能・サイズ・存在感など、住空間との関りを考えながら設計していく際に、その時の経験が活きているのではないか…と思います。
質問9)今の仕事をしていく上でのモットー、若い人へのメッセージは?
モットー:身近な森と共にある「もう一つの選択肢」をつくる。
メッセージ:自分自身忘れていることもしばしばありますが「人生は一度きり」とかですかね。