演習林で三ツ緒伐り研修を実施
エンジニア科2年生林業コースとクリエーター科林業専攻の学生らで,アカデミー演習林で三ツ緒伐り研修を実施しました。この研修,もともとは春に,中津川市で行うものだったのですが,コロナ禍ということもあり,何度か延期になりましたが,なんとか本日,実施することができました。
三ツ緒伐り(三ツ紐伐り)は斧で大径木を伐採する手法です。今でも,伊勢神宮の式年遷宮の際に使われる御用材を伐採するときに用いられています。
講師につけち創工社の無量小路さんと付知土建の熊田貴則さんをお呼びし,指導してもらいました。まずは,伐採対象木の周囲をきれいにして,斧を振るいやすくします。低い位置で斧を振るうため,チェンソーで伐採するときよりも念入りに環境を整えました。
伐倒方向を決めたら,斧を当てる場所の樹皮を剥ぎ,紐を当てながら斧を入れる場所や弦として残す場所を決めます。弦のサイズは胸高直径の値をもとに相対値を計算します。根張がごつごつしていたため,それも考慮に入れて,斧を入れる場所を決めました。いよいよ斧を入れる段になり,皆でお祈りをしました。
いつものように安全確認をしてから二人ずつ交代で斧を振るいました。途中途中で無量小路さんと熊田さんからのアドバイスをもらいつつ彫り進めました。以下,時系列に写真を並べています。写真が多めですが,徐々に弦が彫り出されていく様子を御覧ください。
1時間ほど斧を振るって,開通した瞬間です。ここからさらに斧を振るい,弦を仕上げました。
弦が仕上がったら,いよいよ追い弦を伐ります。このとき,みんなで「大山の神,のぼりやま(今回の倒す方向)一本,寝るぞ〜」と声をかけました。
追い弦を伐り進めるにつれ,徐々に木が傾きはじめました。
傾きだしたら,今度は二人で横弦に斧を入れていきます。
どんどん傾きが大きくなり,見事狙った位置に伐倒することができました。
伐倒後は,頂端の枝を切ってきて,根株に挿して山の神にお祈りして終了です。
斧で木を伐る機会はそうないので,2年生は卒業前に良い経験ができたと思います。来週はいよいよ卒業式です。あと残り僅かな学生の時間を大切に過ごして下さい。
教員:玉木