森のためにできる事:枝打ち実習
枝打ちという作業をご存じでしょうか?
読んで字のごとく、立っている樹の枝を打つ(切り落とす)作業なのですが
成長過程の早い段階で枝を除去してあげることで、将来柱材として製材した際に
節の出ない「無節」材を生産することができます。
一般的な3.5寸(105mm)の角材で無節材を採るためには、
太さが8cmまでに枝打ちを行わなければなりません
それも、ただやればいいのではなく
成長による巻き込みを考えて、極力傷口を小さく枝打ちをする必要があります
※傷口が大きいと、かえってシミが入ってしまったり虫が入ってしまうこともあります
住宅事情の変化により、柱が表に出ている真壁構造の住宅が減り
大壁構造(柱が表に出ない構造)の住宅が一般化している中、枝打ちは必要ない!なんて声も聴きますが
枝を打つことで
・死に節を抑える
・林床に光を入れる
・ツル植物による巻き付きを抑制する
などなど
特にヒノキの林は手入れをしなければ、林内に光が届かず
土壌が剥き出しになってしまい、雨が降ると土壌流出につながってしまいます
つまり、林内の光環境を整える役割があるのです
枝打ちの実習を通じて、始まりと終わりを見比べた学生は
想像以上の変化に驚いていました
何のためにする作業なのか?木を見て森を見ず・・・なんて事にならないように
森林文化アカデミーの学生は幅広い視野で学んでいます
報告:新津裕(ユタ)