パソコン利用! かんたん構造解析
木造建築の新しいかたち(その180)木質構造に関する住育の取り組み
実務者のスキルアップをする住育:専門技術者研修「木造建築の構造性能検討ツール演習」を開催しました。「木造建築の性能設計は難しい」と感じている建築実務者は非常に多いと思います。本研修では、パソコンを利用して、木造建築の性能を検討する演習を行います。パソコンを利用することで、木造建築の性能検討を比較的容易にできるようにすることが目的です。
今年度は全5回を通じて、WallStatStudioを利用した解析を行います。後半では、参加者各自のプランを入力して解析を行い、最終回の公表会にてその報告をしていただきます。
第5回目(最終回)は、参加者各自のプランを入力して解析を行った結果をまとめていただき、その報告の場として、公表会を実施しました。
参加者各自が実務で判断に困っている構造的事項について、基本となるプランへの基本となる地震波を入力した結果と、耐力壁配置や制振壁配置の変更による検討結果、入力地震波の変更による検討結果等について比較検証したことを発表していただきました。また、市販の設計ソフトによる構造計算(許容応力度計算)結果とWallstat結果の検証なども行った発表もありました。各発表に対する活発な質疑応答があり、非常にいい公表会となりました。
また、岐阜県内企業と協働している岐阜県産材の輸出に絡む、現在韓国に建設計画中である木造倉庫(短辺16m×長辺60m)の構造架構デザインコンペを授業で実施した学生の計画案について、学生による発表を行いました。学生12人全員による発表ではありませんが、この研修に参加した2名の学生から各自の計画案について発表しました。この計画案の作成作業を授業としては今年9月に1日半で実施しています。この短期間で3次元静的構造解析による構造架構の検証や、3次元構造架構モデルによる提案などに、建築を学び始めてから半年の1年生もが取り組んだことに対して、実務者の方々は感心されていました。
最後に、参加者の方に本研修の修了証をお渡しさせていただきました。
教授 小原 勝彦