アトリエの家具② 対話が生まれる2種類のテーブル(みどりのアトリエ建築日誌7)
みどりのアトリエには、3~4人で話し合いをするためのテーブルが設置してあります。
この話し合いするというのは、「アイデア生む」1つのきっかけとなります。
私がみどりのアトリエを設計する際に、先生たちと対話することで「アイデア」が生み出すことができました。建物のコンセプトを「アイデアを生み出すことができる空間」と設定したときから、必ず対話ができるようにしたいと思っていました。
この対話による効果は3つあると言われています。
①デセンター効果
異なった視点の導入で話の中心をずらすことにより、解釈・思考の多様化が行われる効果。
②セカンド効果
アイデアに対して、別のメンバーが全く違う視点から補遺的に発言することによって、発展可能性が広がる効果。
③力の相乗効果・連続性
「仕事の分担」「専門性の違い」「ペア相手に対するバックアップ」によって仕事の効率性
と継続性が向上すること。
会話のキャッチボールをすることで、新たなアイデアが生まれるのです。
ただ、対話というのは「よし、話し合っていくぞっ!!!」という空気感より、なにげない会話から始めまっていく方が、より多角的な意見もでるのではないかと考えます。
学長プレゼンの際に、学長から「四角いテーブルでは話し合いも四角くなってしまう。」「対面で話すことは人にとっては、話しにくい。」「固定するのではなく、可変的にするほうがよい」とアドバイスをいただきました。確かに、面と向かって話すときよりも、ドライブをしながら話しているときのほうが話が弾むことがよくあります。
人のパーソナルゾーンは縦に長く、対面にいる相手には緊張や身構えてしまうのです。
視線を対面に置かず、且つ有機的な形のテーブルを目指すことにしました。
ソファと同様に、木工の人たちと話しあっていきながらテーブルについて考えていきました。
今回の自力のコンセプトと、学長からいただいたアドバイスの共有をしてアイデア出しを行いました。「角のない有機的な形」「視線を外したように座れる構造」「可変性」と大きく三つのコンセプトを置いて、プチコンペをしました。
木工の高橋さんの考えた、一つの大きなテーブルではなく大小2つの円が重なり合い、状況に応じて小さなテーブルを動かすことのできる案になりました。
段ボールで、実際の大きさに切って現場で大きさを合わしていきました。その中で、大きい方が径1100㎜、小さい方が径900㎜になりました。
テーブル製作については木工の渡辺先生がブログで書いていますので、そちらも合わせて読んでみてください。
机の脚の配置にも、対話しやすくする工夫があります。ヤマザクラで作られている小さい方のテーブルは3本脚になっており、自然に対面に座らないようになっています。
木工の方が制作したテーブルのクオリティは、とても高く始めみたときは感動しました。本当に木工専攻の方々には感謝しています。
実は、テーブル製作にはほぼ関わっていない私ですが、このテーブルが好きすぎて外部講師の方に見てもらうようにしています。
森林文化で来ていただいた、古川先生にもコメントをいただいたので、そちらもブログでまとめているので、読んでみてください。
〇森林文化特別講座「森とつくる いっしょにつくる」古川泰司さん
テーブルもアトリエにすでに置かれていますので、みどりのアトリエで打ち合わせしてみてはいかがでしょうか。
木造建築専攻 2年生 杉山 優真