チェンソーのガンマークの誤差はどのくらい??【伐倒方向の目標点までの距離編】
これまでガイドバーの取付方法やガイドバーの形状によって、どの程度伐倒方向に誤差が生じるのかを検討してきましたが、今回は伐倒方向の目標点までの距離によって誤差がどの程度生じるのか検討したいと思います。
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チェンソーのガンマークの誤差はどのくらい??【ガイドバー取付方法編】
チェンソーのガンマークの誤差はどのくらい??【伐倒木直径編】
チェンソーのガンマークの誤差はどのくらい??【曲率あるガイドバー編】
ガイドバーのラインとガンマークのラインは、ほぼ直角に作られていますが、チェンソーのメーカーによって、
① ガンマークと伐倒方向が15m先(もしくは一定距離)で一致する
② ガンマークと伐倒方向が平行
という違いがあります。
「② ガンマークと伐倒方向が平行」の場合、伐倒方向の目標点までの距離に関わらず、誤差は一定になります。しかし、「① ガンマークと伐倒方向が15m先で一致する」の場合、伐倒方向の目標点までの距離が15mより短い、あるいは長い時それぞれで誤差に違いが生じます。
そこで、
① ガンマークと伐倒方向が15m先で一致する
パターンのチェンソーを用いた場合、伐倒方向の目標点までの距離により、誤差がどの程度変わるのか検討していきます。
検討した結果がこちらです。
例えば20m先に伐倒方向の目標点があったとして、ぴったりガンマークで目標点を視準したとすると、実際の伐倒方向は右に117mmずれることになります。
ということで、「ガンマークと伐倒方向が15m先で一致する」パターンのチェンソーを用いた場合、伐倒方向をぴたっとガンマークで狙いたい場合は、距離によって修正する必要があります。
今回はCADで検証しましたが数式で表すと、
「目標点までの距離15m以下の場合」
以下の分だけ左にずれる
伐倒木の会合線の中心とガンマークまでの距離(今回のモデルでは350mm)× (15m ― 目標点までの距離(m)) ÷ 15m
例えば目標点までの距離が10mの場合、350mm × (15m - 10m)÷ 15m = 117mm となります。
「目標点までの距離15m以上の場合」
以下の分だけ右にずれる
伐倒木の会合線の中心とガンマークまでの距離(今回のモデルでは350mm)× (目標点までの距離(m)- 15m ) ÷ 15m
当然、伐倒木直径が大きくなる、あるいは小さくなる場合も、伐倒木の会合線の中心とガンマークまでの距離が異なるので、誤差が変わってきます。
自分が使うチェンソーがどのような角度でガンマークおよびガイドバーが取り付けられているのか、平行パターンなのか、一定距離で交わるパターンなのか、確認してみるといいですね。
ちなみに、これまでブログでの書いたように、ガイドバーの取付方法やガイドバーの形状により、伐倒方向ラインとガンマークのなす角度が異なりますので、そちらも注意して上でガンマークを視準できるといいと思います。
杉本