県内で起業した木工の卒業生を訪ねて ③アトリエきのこ
美濃市にあるアトリエきのこを見学させていただき、代表の横井敦史さんにお話を伺いました。横井さんは森林文化アカデミーの木工専攻7期生で、卒業された後に現在は木工房のアトリエきのこを切り盛りされていて、広大なご自宅に隣接する土蔵を利用した木工房でお仕事をされています。
アトリエきのこは木のおもちゃ製作を中心に仕事をされている木工房です。土蔵を利用した工房内部には木工の各種機械が何台も並び、作業エリアが確保されていました。横井さんが製作に関わった代表作品に「まあるいつみきmini」があります。岐阜県産の16種類の木を使い、河原の石ころのような積み木で、木の違いを五感で感じることができます。このおもちゃはグッド・トイ2014の林野庁長官賞を受賞しています。また、ワークショップで使う製作キットを納入する仕事もされているとのことでした。現在の仕事の基本はアカデミーで学んだことの延長であり、デザイン等も日々勉強だと仰っていました。
説明をお聞きする中で効率良く仕事を進めるために機械や道具をご自身で工夫されていることを感じました。一例としてボール盤の作業テーブルの上に広い鉄板を固定して、いろいろな形状の加工物をクランプしやすいように改修をしていました。また、鉄鋼用ドリルを中心出しがしやすいようにご自身で木工用のドリルに加工しているとのことでした。
敷地内に全体が透明な素材で作られたハウスを備えていて、購入した木材の乾燥を兼ねた木材置き場として使用されていました。美濃にご自宅と木工房を構えた理由としては、インターも近く岐阜県内を移動するときの立地が良くて、材料屋さんが近いので木材を入手しやすいことがあるそうです。地域の人との関わりをとても大切にされていました。
お忙しい中、時間を割いて工房の説明をしていただきまして、ありがとうございました。
文責:奥山茂(クリエーター科木工専攻)