看護大学の授業がありました。
2月28日、岐阜県立看護大学の「森林体験セミナー」という授業が森林文化アカデミーで開講されました。
この授業は秋から冬の間に連続で開かれるもので、今回は森林環境教育と木工の教員が講師を勤めました。
森林環境教育分野の内容について報告します。
学生は15名が出席、アカデミーからは講師の他、エンジニア科2年生で、「林業インタープリテーション」という授業を履修している学生有志がサポートしてくれました。
集合後、装備を整え、さっそく演習林に出発です。
途中、森を観察し、自然を感じながら体験場所に到着。
今日の体験の無事を祈り、山の神にご挨拶しました。
ここで日本人と森林の関わりや森林利用の歴史、社会背景などの話しを聞いてもらいました。
準備体操して、午前中の林業体験が始まります。
5名づつ、3班に分かれ、3つのプログラムを並行して体験してもらいました。
初めに、アカデミー学生によるデモンストレーションと安全上の注意があり、さらに林業の現場でそれぞれの技術がでどう使われているのか説明がありました。
アルミ製の梯子で木登り
ぶり縄での木登り
ロープ上げ
そのあと、立木の伐採体験に移りました。
これも、人工林を育てることの意義や間伐の目的を解ってもらうための体験です。
各班毎に、ヒノキ人工林内で成長が停滞してしまった細いヒノキを選び、のこぎりで伐倒します。
ここでもエンジニア科学生がしっかりフォローします。
伐倒方向を確実し、かかり木処理等にも対応するためにあらかじめロープをかけ、滑車をかけて準備します。
ノコギリで立木を切ることは想像以上に難しかったようですが、交代しながら全員が協力して無事に伐倒することができました。
次に、伐倒した木の枝払いと玉切りです。
普通、細い木は現場に残置されることが多いのですが、今日のプログラムでは、薪材として燃料利用を想定しているので、大切な資源として持ち帰ります。
生の木はズシリと重く感じたようです。
午前中はこれで終了。集合場所に戻り、昼食です。裏山に演習林がある森林文化アカデミーならではの小回りの利く活動です。
午後は、焼きイモの準備からです。どうすればおいしい焼き芋になるのか、知っているようで知らなかった話を聞いてもらい、さっそく持参したオイモの下準備をしました。
次に、山から伐って運び出した丸太の薪割りです。こうして割った薪は外に干して乾かしてから燃料に使います。刃物を使うのでくれぐれも慎重に!
周辺から焚き付けになりそうな自然素材を拾ってきて、マッチで火起こしします。
今日山で切って持ち帰った薪はまだ水をたっぷり含んでいるため、すでに乾いている薪と交換し、必要なサイズに割って使います。
安定した火になるまで、消えないよう火の世話をします。
前回の授業でも火をおこしを体験していたので、さすがに上手でした。
起こした火を集めて、炭をおこし、いよいよオイモの投入です。
待つ間に、午前中、演習林の沢から汲んで持ち帰った湧き水を沸かしてお茶をいただき、火を囲んで集まり、今日の感想や質問などをうかがいました。
この活動では、オイモとお茶、アルミ箔、古新聞紙、マッチなどは持込みでしたが、その他はすべて森から頂いたものを自分達で道具と体を使い資源として使っています。
サバイバルということではなく、少し前まで都市以外の地域では当たり前に繰り返され、老若男女問わず生活手段として森林と深くかかわってきた事実を知り、それを体験することで
資源循環、森林文化、林業等のイメージにリアリティーを感じてもらうことがこの授業の狙いでした。焼きイモの甘さでさらに味の記憶と結びつけてもらえたら幸いです。
以上報告は原島でした。