教員リレーエッセイ14:木を伐ることだけが林業の仕事ではない
杉本和也(林業)
「林業」というとどんな仕事のイメージでしょうか?検索すると植栽から伐採までを行う仕事、チェンソーで木を倒す仕事、とかいろいろ出てきますね。全国森林組合連合会主催の森の仕事ガイダンスでも主に現場で働く人の募集をしています。
でも実際はチェンソーを持って働く技術者の他に、施業プランナーやフォレスターといったマネージャーの資質が問われる仕事もあります。
マネージャーの資質と聞くと、ただお金や人の管理を行う仕事に聞こえるかもしれません。そんなの経理や人事の仕事なんてやりたくないな~という人もいるかもしれません。
林業では金や人の管理以外に、もう1つ重要な仕事があります。
それは「森をデザインする」という仕事。
ただ木を伐るだけではすぐにハゲ山になってしまいます。しっかりと将来の森林の計画を立て、伐採等の事業管理を行っていく、そんな人材が求められています。
「今この50年生のスギ林を50年後どんな林に持っていくのか?」
「今間伐すると、収益はどれだけ得られるのか?」
「50年後に収益はどれだけ得られるのか?」
「どんな線形・規格で路網を開設するのか」
答えは1つではありませんが、きっちり根拠を持って答えを出すには、それなりの知識と経験が必要です。
「森林の持続性も考えながら、人の暮らしや経営・経済の持続性も考える」
とても挑戦しがいのある課題だと思いませんか?
ちなみに林野庁の人材育成検討委員会等で示された人材は、「フォレスター」「森林施業プランナー」「現場技術者・技能者」の3つです。
「フォレスター」「森林施業プランナー」が「森をデザインする」人
で森林の計画や事業の計画を立て、実行管理していく人です。
森林文化アカデミーでは、
「フォレスター」「森林施業プランナー」に関わるスキルを森と木のクリエーター科
「現場技術者・技能者」に関わるスキルを森と木のエンジニア科
でそれぞれ人材育成しています。
アカデミーのクリエーター科には社会人経験を経て入学する方が多く、前職がプログラマー、メーカー営業、管理職など様々ですが、
今の林業には、他業種で得た知識・経験・スキルがとても重要です!!
林業に関わり、人と森をつなぐ架け橋、今と未来をつなぐ架け橋になる人が増えると幸いです。
アカデミーの卒業生も前職やアカデミーでの学びの経験を活かして、林業会社に入って、また起業という形で活動しています。
「木を伐るだけが林業ではない」
ということが分かって頂けたでしょうか??
「フォレスター」「森林施業プランナー」が具体的にどんなスキルが必要なのかは、ブログ等でアカデミーの授業の紹介をしているので、興味がある方は調べてみてください。
入学希望者はエブリディオープンキャンパスも実施していますので、ぜひアカデミーに来て話を聞いてみてくださいね!