「キャリアカフェ3回目を行いました!」
12月7日、第3回キャリアカフェを本巣市根尾に本拠地を構える(有)根尾開発の小澤社長をゲストにL招きし開催しました。(有)根尾開発は、岐阜県の中核的林業事業体として40年にわたり森林に携わってきた歴史をお持ちです。
小澤社長からは、分収造林によって進められてきた水源林造成や、地元根尾にある広葉樹資源の有効活用、また、異業種交流で広がる新たな森林活用など、林業の概念にとらわれない取り組みの数々をご紹介頂きました。
社長が先代(現会長)から受け継がれた広大な人工林や天然の広葉樹林。中でも広葉樹林は、パルプ材として出荷されている現実を教えて頂きました。樹種も多様で曲がりや小径木も多い天然の広葉樹を、スギやヒノキのように市場で流通させるのは難しいそうです
そこで(有)根尾開発では、オークヴィレッジ株式会社とコラボ(Neo woods)し、天然広葉樹の価値を見直し、有効活用する取り組みを進めているとのことです。その中で、広葉樹資源の持続性を確保するため、択伐、更新施業にも力を入れるとともに、架線集材等の林業技術の伝承も図っているとのことでした。
一方、人工林に関しては、岐阜県森林技術開発・普及コンソーシアムがドイツ企業と共同で行う獣害対策資材の試験にワーキンググループのリーダーとして参加され、試験地を提供されています。この取り組みにおいては、今後の製品の改良や、将来、山が良くなる事につながれば、という思いがあることもお話頂きました。
(有)根尾開発の事業展開の根底にあるのは「地域を大切にする心」です。林業であれ農業であれ、地域に根ざした事をやらなければならない、という小澤社長の言葉は強い信念に満ちあふれていました。
それは、作業する人達への働き方に対する気配りにも表れています。例えば路づくりは木を伐り出すためのものだと思っていましたが、実は毎日仕事に向かう人達が現場に向かいやすくするためでもあり、事故が発生した時にすみやかに対応できる為のものでもあるそうです。
地域の中で生まれる連携こそが、資源や人といった財産を守り繋いでいく大切な要素であるという事が伝わってきました。
そして連携は地域の中だけに留まらず、様々な可能性も秘めています。
山で何が起きているかは実際に見てもらわないと伝わらない、そして自分達が普段行っている事が外から見れば新しいと捉えられる可能性がある。そう感じた小澤社長は、精力的に根尾に人を招き、山を案内しているそうです。その中から生まれたのが、先に紹介したNeo woodsというプロジェクト。ずっと続けてきた広葉樹の整備が目に留まり、そこから曲がった材を積み木にするなど、根尾の材を使用した様々な商品開発や事業の展開が生まれています。
今回、私が小澤社長のお話から最も印象深いと感じたのは「つながる」という意識です。人と人とのつながりや、地域と都市のつながり、世代と世代のつながりが、伝統を守る事のみならず、新しい展開によって地域の可能性を伸ばす要素になる、これはアカデミーで学ぶ我々にとって貴重なメッセージであると思っています。
小澤社長は五人の子供のお父さんでもあり、見守る子育てとして一番大事にしているのは、助言はあまりせず楽しくさせることだそうです。仕事も学びも伸び代は必ずある、そう語る小澤社長の目には、「まだまだこれから」という林業への意気込みも感じられました。
クリエーター科1年 鈴木守門
第3回コーディネーター:伊佐治彰祥
次回2月8日は、グリーンクリエイトの高橋社長をお招きします。
キャリアカフェ担当:松井勅尚