林木育種・育苗 2016 第7回
今回の林木育種・育苗の授業では,2016年10月7日のブログで報告した,採種園で採取してきたヒノキ種子の選別を行いました。
採取してきた球果は,重さを測定後,トレイにあけて標本乾燥室で乾燥させてありました。ヒノキの球果は乾燥すると割れ目が入り,種子が外に出てきます。それを球果と種子により分けます。
乾燥した球果です。
ヒノキの種子です。
球果を振って隙間に入っている種子を取り出します。せっかくいただいたものなので,よく目をこらして一粒残さず回収しました。
より分けた後で種子の数を数えました。全部数えると大変なので,1000粒数えてその重さ(1000粒重)を測定し,全体の重さから割り出します。皆で手分けして1000粒を数えました。
今回は4つの母樹から種子を採取させてもらいました。それらの重さや粒数は以下のとおりです。
母樹 | 球果生重(g) | 種子重(g) | 1000粒重(g) | 粒数 |
---|---|---|---|---|
付知耐凍38号 | 2,689 | 269.86 | 2.11 | 127,896 |
大和耐凍14号 | 3,236 | 348.10 | 2.18 | 159,678 |
大和耐凍15号 | 876 | 89.30 | 2.18 | 40,963 |
清見耐凍30号 | 488 | 44.01 | 2.48 | 17,746 |
白鳥の林木育種事業地で球果を採取した際に,担当の霞さんに教えていただいたように,種子重が球果生重の約1/10になっているのが良く分かります。覚えやすい数字なので,作業してくれたエンジニア科のみなさん,しっかり記憶しておいて下さいね。
これらの種子は冷凍保存され,来年の春に新1年生の種まきに使われます。どんな実生が育つのか楽しみですね。
報告:玉木(教員)