町家で実施、「漆を学ぶ」「漆を塗る」
11/1〜2の2日間にわたり、「漆を学ぶ」講座と「漆を塗る」ワークショップを行いました。これまで森林文化アカデミーの授業として行ってきたものを、今年はじめて卒業生が代表を務める一般社団法人インクと共同で、美濃の町家で開催したものです。
講師にお招きしたのは石川県小松市・沢幸漆店の沢田欣也さん。
漆というと高級なお椀などのイメージが強いのですが、特に北陸地方などでは住宅の内装などにも使われてきました。建築や家具など、暮らしの空間にもっと使って欲しいとの思いから、設計士や工務店など、木造建築に携わる方に広く呼び掛けを行い、たくさんの人にご参加いただきました。
1日目の夜にさまざまな塗装見本や施工事例を見ながらの講座。2日目は塗装のワークショップです。参加者9人には、自分が塗りたい物をそれぞれ持参していただきました。
自分が子供の頃に使っていた子供椅子を、まもなく生まれてくる子供のために漆できれいに塗装し直したいという方、これから施工する物件用のフローリング材を塗りたいという方、金属のフックに塗ってみたいという方(オーブンで焼き付けると金属にも塗れるのです!)、いろんなものが集まりました。それら1つ1つの希望に、沢田さんが応えていきます。
参加者からは好評で、今後漆を設計に採り入れたいという声や、自分が事務所を構える所でもワークショップを実施したいという声が聞かれました。アカデミーで積み重ねてきたことを、キャンパスの外へ。今回は第1回目でしたが、これからも続けていきたいと思っています。
文:久津輪 雅