「欧州製獣害防止資材」の試験施工!!
去る10月12日(水)、「岐阜県森林技術開発・普及コンソーシアム」の「保育の合理化ワーキンググループ」(リーダー「有限会社根尾開発 代表取締役 小澤建司氏」)が、本巣市根尾和井谷地内と山県市椿地内において、欧州製獣害防止用資材(商品名「TUBEX」)の試験施工を開始しました。
この「TUBEX」は、ドイツ及びイギリス国内マーケットにおいて、約65%のシェアを誇っている獣害防止用資材であり、コンソーシアムメンバーが主体となり岐阜県内における地形条件や気象条件での耐久性、防除効果等について試験施工します。
今回ご紹介する試験施工箇所は、山県市椿地内にある中原林業所有山林内の造林地です。中原氏は、コンソーシアム会員の一人であり、自身の林業経営を進める上でも「ニホンジカによる苗木の食害や樹皮はぎ被害は脅威であり、これを何とかしないと持続可能な林業経営が成り立たたない」との考えから、今回の試験施工地を快くご提供いただきました。
また、試験施工の作業にあたっては、保育の合理化ワーキングのメンバーのほか、岐阜農林事務所林業課、県森林研究所、県自然環境保全課の職員や、森林文化アカデミーの学生さんにもお手伝いいただきながら、5種類のTUBEX資材を約500本、既設の植栽木(H28年春植えのスギ、ヒノキの苗木)に被せるように設置しました。
まずはじめに、TUBEXとそれを支える木製支柱を現場まで担いで運び、それぞれの試験区に小運搬しました。(この作業が一番きつかったです・・・)
次に、木製支柱を山側の位置になるよう、「カケヤ」と呼ばれる木槌を使って地中の深さ50cmまで入るよう打込みます。(急斜面では、杭が傾かないようにまっすぐ打込むことが非常に難しいです)
打込んだ木製支柱にTUBEX(チューブタイプ)を取付けます。
TUBEXの上下に結束バンドが付いているので、これを木製支柱に締め付けるようにして固定します。
チューブの下側に隙間があるとシカに食べられてしまうので、地際まで隙間が無いように施工します。
施工後の状況が次のとおりです。(チューブの高さは、1.5mあります)
次に、メッシュタイプのTUBEXです。施工しているのは、ドイツからお招きしたAVINTIV社テクニカルセールスマネージャーのマーティン・ザットラーさんです。
ザットラーさんや日独通訳の辻さんにも、試験施工のお手伝いいただきました。お二人とも日本の急峻な地形での作業に苦戦していました。
設置後の状況です。
試験施工の作業は、朝9時30分頃からスタートし、昼食以外は休憩なしの皆さんの頑張りにより、14時30分には全ての設置を終えました。
設置後、皆さんと記念撮影しました。皆さんやり遂げた充実した笑顔です!
今後、TUBEXの効果検証を県森林研究所や岐阜大学などの協力を得て調査を行う予定です。
また、今回のドイツとの連携による取組を通じて、日本の気候風土に適した獣害防止用資材の開発・改良を進めて行きます。