「測量」~森林測量の基本はコンパス測量(その2)
(6月9日)
「測量」授業3日目、前半は、前回の測量実習のデーターをもとに、定規、分度器を使って図化を行いました。
わずか6測点とはいえ、手書き作業では、図が方眼紙に収まるよう、縮尺や起点の位置を自分で考えなくてはいけません。
「方位273°ってどっちに線が伸びるの?」、「この縮尺デカすぎるじゃん!!」、「うそー、こんな形だったっけ?」、「え~、このデーターおかしくない?」と、見ている者にとっては、大変楽しく作業が進みます。
こうしたアナログ作業により地図力、空間認識力、現場実践力が向上するはずです。この経験は無駄にしないでね。
アナログ図化でさんざん苦労した後は、PCを使った図化作業を行いました。作業は、キーボードでデーターを入力するだけ、作図や精度計算はすべてPC任せです。さんざん手書き作業で苦労した後だけに、パソコンの便利さが本当に身にしみます。
はたして、図化成果はどうかというと、中には×○△&なんじゃこりゃ!というものも。原因をしっかり考察してください。
そもそも測量データーがお粗末では、さすがのPCも救いようがありませんよね。 泣けてきます。
後半は、気持ちを切り替え、デジタルコンパスTRU PURSE360°(コンパス機能を持つレーザー距離計)を使い、測量実習を行いました。
デジタルコンパスで測量するときは、測点を判別するため反射板の付いたポールを使用、本体レンズには、反射板を特定するためのフィルターを装着します。
間縄を引き回す必要が無く、測定値をデジタル表示してくれるので目盛の読み違いもありません。ただし、モード設定やキャリブレーション(測定器の校正)を正しく行うことが必要です。慣れないうちはこの作業に結構手間取ります。明日は、林内で試します。
(6月10日)
講座4日目、「測量」はこの日が最終日、本日のお題は、植栽事業地の周囲測量です。
植栽後間もないため伐開作業は不要ですが、炎天下での作業、暑さとの戦いです。
各班が事業地の四隅に分かれ測量を開始します。実際の現場では、コンパスのセッティングや間縄(メジャー)の引き回しにも苦労します。もたもたしていると後ろの班に追いつかれてしまいます。
各班の作業スピードには差がありましたが、全班、無事、終了することができました。
この日の班編成は、一班4~5人、実際の現場では、2人でこなす作業なんですね。
はたして、今回の測量精度は如何に?後日、全員に図化成果を提出してもらいます。
植栽地のコンパス測量終了後、場所を変え、デジタルコンパスによる林内測量を体験しました。
デジタルコンパスは、反射板さえ見通せれば計測ができ、間縄の場合ように、次の測点まで藪をまっすぐ突っ切る必要がないのでポールマンはとても助かります。
実際に、藪の中でどの程度見通せるのかを確かめます。
P.S.
後日、提出された測量図化成果の精度をみて、がっくり。 補助金申請で求められる誤差1/200をクリアできた班はなんとゼロ!!
前回の経験が、全然活かされてな~い。これじゃあ全員、補習じゃ!!
とはいえ、炎天下で測量作業を最後まで頑張ったことは認めましょう。お疲れ様。
以上、報告は、授業担当の伊佐治でした。