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2016年07月01日(金)

木工機械使用法Ⅱでフォトフレームの制作が始まりました。

森林文化アカデミー 木工機械使用法

6月から本格的に木工機械を授業で習い始めた木工職人の卵たち。7月に入り、木工機械使用法Ⅱが始まりました。前回の木工機械使用法Ⅰでは、基本となる木工機械の安全な使い方を身につけ、木取りという荒材から所定の寸法に木材を切りだす作業をやりました。

木工機械使用法Ⅱでは、それら機械を使っての応用的な加工法を学びます。応用的なといっても木工の世界では当たり前に行われていることです。また、1個2個作るときなら特に考える必要もないですが、仕事として行うときはそのような作業は少なく、たいていは量産をします。そういう場合は、いかに効率よく、精度よく加工出来るかを考えていかなければいけません。

題材は、「フォトフレーム」

フォトフレームは4本のパーツを枠状に接着するだけのものですが、その加工には様々な技術があり題材としてとても適しています。また、少量でも量産のための機械セッティングや工程の考え方を学ぶには程よいボリュームです。

さっそく前回の授業の復習も兼ねて木取り作業から始めます。フォトフレームの木取りはなんでもかんでもその寸法にすればよいというわけでもなく、寸法の狂いも少なく、かつ見た目的にすっきりするよう板目でとっていきます。今回のつくるフォトフレームは10mmという薄いもの。その木どりは、効率を考えて板目の板材から柾目で切りだすということをします。この時、厚さを決める分決めと幅を決める巾決めが逆に考えなければいけません。また巾決めした材を再度自動カンナで分決めするなど、通常の木取りとは違う流れがあります。

その後、ガラスなどがはまるよう欠き取りをします。カッターを取り付け、何十本何百本通しても同じ寸法で欠きとれるよう板羽根という冶具をセッティングします。

森林文化アカデミー 木工機械使用法

欠き取りが終われば、留め切りといって45度に傾けた丸のこでカットします。この角度もとてもシビアなセッティングが必要でよりよいものを作るためには、ぴったり45度にはカットしません。

森林文化アカデミー 木工機械使用法

その後接着をして枠状にしてから、より強度を持たせるために、コーナーにかんざしを差し込み補強します。ここでも溝突きやかんざし作りに冶具をつかって加工していきます。

森林文化アカデミー 木工機械使用法

このように書きだせばキリがないですが、単純な機械の使い方から一歩踏み込むと、なるほど~といった加工方法が出てくるので、学生らも感心しながらの作業でした。まだまだ半分が終わったばかりで、この先もいろいろな加工方法が出てきます。

しかし、授業で使い方を習っただけでは身につくことはありません。何度も反復作業を繰り返し、体で覚えてもらう必要があります。が、自分でその機会を作りだしていかなければどんどん授業は先へ進み、後追いのような受け身の姿勢になってしまいます。また、授業では一つ一つ説明しながら工程を経ていきますので、気づいたら出来上がっています。これはとても怖いことで、「じゃあ、一人ですべての工程やってみて」といわれると、「あれどうやるんだっけ?」となってしまいます。

学生にはこの点をなんども指摘し、一つ一つの工程をしっかり理解し、かつ前後工程のつながりを意識しながら取り組むように促しています。