吉野 安里
専門分野 | 木材利用 |
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最終学歴 | 信州大学農学部林学科 |
研究テーマ | 住宅に加えて、土木利用など幅広い木材利用を手掛けたい。 |
経歴
1985 長野県職員に採用される。
1986 木材の試験研究に携わる。長野県ではカラマツの人工乾燥技術が広まり、板材の乾燥から、壁板へ、集成材へ、角材の乾燥へと伝統的から現代的な木材利用への黎明期であった。試験研究も黎明期で、試験機器や加工機器が整備された。1台しかないパソコンを独占し、収束計算や多変量解析にハマる。
1987 木材の防火材料の開発に着手し、その後認定を受ける。
長野県林業大学校の講師を兼務する。木材理学と木材加工学実習を担当する。授業の難しさや面白さにハマる。
1988 WPC(木材とプラスチックの複合化)に着手。産学公連携での仕事。三人寄れば文殊の知恵?。
1990 WPCと透明塗装のある組み合わせが、耐候性に優れていることを見出す。早速、ある企業へ技術移転される。透明塗装による屋外木製看板(案内板、バス停など)が他に類を見ない商品となった(2002年、日本木材学会技術賞)。時はバブル時代、高くても(高い方が?)売れる。ものづくりの面白さにハマる。
1997 木材のエクステリアとしての利用に着手。防腐処理との組み合わせにより、塗装の耐候性が高まることを見出す。早速、ある企業が製品化へ。エクステリアの面白さにハマる。
1999 木材の土木への利用に着手。やがて田中康夫氏が長野県知事に就任し、木製治山ダムが相次いで作られた。脱ダム(脱コンクリートダム)と森林整備に力を入れるという、県政の転換であった。土木用途には腐ることを容認した使い方もある。そのためには、部材の初期の強度、腐朽速度、腐朽深さを計測する技術など、データ集めや解決すべき課題があり、面白さにハマる。
2011 3月、東日本大震災があってまもなく、突然、長野県林業大学校への異動内示があった。試験の多くも未完のままとなってしまった。私も震災にあったような気がした。
4月、林業大学校に赴任。「面白いと感じることを見つけなさい」「感度を高めよう」と学生には同じことを言い続けた。自分を振り返ってのことである。面白いがゆえに苦しいことも乗り越えられるし、自分をより高めることができる。林業大学校の3年間で、人を育てることの難しさ、大切さ、喜びを知る。
2014 一般行政へ異動。デスクワークに埋没。自らの言葉を思い出す・・・。
2015 縁あって、岐阜県立森林文化アカデミーに。
(経歴のエピソードを20周年記念インタビュー記事で公開しています!)
専門分野に対する思い
木材に様々な性質があります。すなわち「林木」「再生可能な資源」の生物資源としての性質、「林業生産」「山村振興」の社会的な性質、「木材の物性」「材質改良」の物質としての性質、「木のある雰囲気」「木でものづくり」の感性的な性質などです。この多面的な性質が他材料にない面白さであり、強みであると感じています。これらの特徴をいかに業(なりわい)にするかが、今ここでの課題です。
受賞歴
第3回日本木材学会技術賞(2002年/平成14年)、日本木材学会
「表層WPC化技術と高耐候性木製品製造技術の開発」3名の連名で受賞
趣味
材料を問わずDIY。
ジャンルを問わず料理。
人種を問わずコミュニケーション。