ウソだらけのグリーンウッドワーク
まずはこちらをご覧ください。今年のグリーンウッドワーク指導者養成講座、第1回めの作品です。
生木から「ウソ」を作ってもらいました。漢字で書くと「鷽」、鳥の名前です。
福岡県の太宰府天満宮を初め、全国各地の天神さんに伝わる縁起物です。
簡単にできる上、個性が出せて面白い。グリーンウッドワークの基本的な道具の使い方を学ぶにもぴったりです。
今年の参加者は、遠くは福岡県、岡山県からも。いよいよグリーンウッドワーク人気は全国に広がってきました。
今年は募集を「先着順」としてしまったため、自己紹介では「3月31日の夜12時と同時に申し込みメールを送った」などの苦労話が相次ぎました。アイドルのコンサート並みの人気だったわけですが、来年からは夜中まで起きていただかなくてもいいように改善します!
太宰府などの木うそは材料にホオノキやコシアブラを使うようですが、今回はエゴノキを使いました。伐ったばかりの生木より、数ヶ月経った木のほうが羽根がカールしやすいようです。
作り方はグリーンウッドワーク流です。まず材料を削り馬に載せてセン(銑:刃物の名称)で皮を削り、鳥の下腹にあたる欠き取りを入れます。
次に目の部分を削ります。
木ウソは多くが上目づかいで睨んでいるような表情をしていますが、実はこの木目から来ているのでした。
芯持ちの丸太を削ると、必ずこのような木目になります。
羽根を起こしながら削って・・・
程よい長さで切ればできあがり。
ちなみにこのような羽根を削る道具は各地で異なり、太宰府ではノミ、山形のおたかポッポは大ぶりのナタ、北海道のアイヌのイナウなどは小刀(イナウケマキリ)など。それぞれのやり方を学ぶのも楽しいです。
形ができあがってきました。不思議と作者に似るのです、これが。
塗装にはアクリル絵の具を使いました。色が明るく、すぐ乾き、乾けば耐水性になります。
オリジナルの木ウソを参考にしながらも、自由に絵付けを楽しんでもらいました。
できました!みんないい顔しています。
今回の講座ではもうひとつ、秋田県のイタヤ狐も作ってもらいました。こちらはナイフワークの練習です。
グリーンウッドワークは地域の自然とつながるばかりでなく、歴史や文化ともつながることができます。参加者の方にこの体験を持ち帰ってもらい、各地でアレンジして楽しいプログラムを作ってもらえればと思っています。
この講座、年6回実施して、すべて受講していただくと修了証を発行します。次回はスプーンづくりです。