オープンカレッジ「岐阜の都市・農山村交流」~春日のヤマ茶畑と棚田保全~ 開催しました。
森と木のオープンカレッジ「岐阜の都市・農山村交流」~春日のヤマ茶畑と棚田保全~の第1回は、初夏を思わせるような日差しの中、一般県民の方9名にご参加いただき、揖斐郡揖斐川町春日の上ヶ流(カミガレ)地区にて開催されました。
森林文化アカデミークリエーター科の授業「地域の暮らしを考える」を合同開講したので、学生8名が同行させていただき、合計17名の活動になりました。
森林文化アカデミーを出発し、春日モリモリ村で現地集合の方、地元講師のMさんと合流しました。
午前中は茶摘み、午後は茶園周辺に整備された周回散策路(オルレ)を歩く計画です。
まずは「天空の茶園」と呼ばれている上ヶ流(カミガレ)茶畑の全景を観ながら、Mさんから春日上石流のお茶栽培の歴史や栽培方法の特徴等について説明をいただきました。
昔は一面の桑畑であったこと、お茶は桑の列間で栽培していたこと、お茶の品種の事、今年は霜害にあったため新芽の出が悪いことなど、初めて聞く話ばかりです。
そこから5分ほど歩き、講師のMさんが無施肥、無農薬で栽培されている茶園で、茶摘み体験させてもらいました。管理されている茶畑に移動し、新芽の茶摘みを体験しました。
一芯二葉で摘むこと、ヤマ茶とヤブキタの違い、無農薬、無施肥栽培のメリットについて、さらにマナーとして隣接の畑に入らぬことなど指示を聞きながら皆さん熱心に茶摘みをしていました。
お昼は集会所をお借りし、地元で作られた弁当をいただきました。本当の竹の皮で包装されていたので食べる前から皆さん感動していました。
Mさんが栽培された緑茶と紅茶を振舞っいただきました。 手もみ行程の実演と作り方について説明があり、皆さん熱心にメモを取っていました。
何事もまずは体験、不慣れな手つきでしたが上手にもめました。
ここで、特別講師として、G大学のH先生がペルー風ジビエ料理の試食会を開いてくださいました。
当地、上ヶ流地区は日本のマチュピチュとも呼ばれていることと、狩猟や野生動物管理上捕獲されたシカ等の獣肉を、春日の地域らしい形で利用できないかという発想です。
H先生のご専門である野生動物の生態や、ジビエ利用についてのお話しをうかがいながら、数種類の料理が並び、皆さん試食をされました。
お茶やジビエに関するアンケート調査にご協力いただき、しばしの交流時間を経て、午後は天空の遊歩道(オルレ)散策に出発です。
当日は一般観光客も多数お見かけしました。 連休前に、新聞、テレビ等で紹介されたので来訪者がぐっと増えたそうです。
「天空の茶園」が一望できるビューポイントです。
確かに「マチュピチュ」を連想させる景色が広がっていました。
遊歩道の頂上部の茅場です。
昔は茶畑と同面積の茅場があったそうですが、化学肥料の普及によって必要がなくなり、大半はスギヒノキが植林されたり、放置されて藪や自然林に姿を変えていったのだそうです。
Mさんはじめ、地域の活性化を模索する人たちは、茅場の復活が野生動物被害を減らしたり、地域の自然の多様性を高めることにつながるのではないかと仮説をたて、いまその実証実験を始めたのです。まだ結果は出ていませんが、茅の刈取りをしたことで植生にかなりの変化が見え始めているようで、今後が楽しみです。
お昼に手もみをし、陰干ししていた茶葉は発酵して色が茶に代わり、紅茶の香りがしていました。
この葉を乾燥させれば手もみの紅茶が楽しめるのです。自家製の紅茶なんて、とってもおしゃれですね。
オープンカレッジ「岐阜の都市・農山村交流~春日のヤマ茶畑と棚田保全~」の第二回目は9月25日(日)に、春日貝原地区で開催予定です。
2回目からの参加もできますので、募集ブログ記事が出ましたら、森林文化アカデミーHPからお申し込みください。
以上報告はアカデミー教員の原島でした。