Cr科2年「森林から木材、暮らしへ2」が始まりました
教員の津田です。
本日(4/11)より森林文化アカデミーの新学期が始まりました。
クリエーター科2年の最初の授業は「森林から木材、暮らしへ2」。既に2年生はそれぞれの専門分野に分かれて学んでいますが、あらためて森林の樹木が様々な過程を経て、暮らしに活かされて行く様を見直し、森林と人、地域のつながりをそれぞれの視点から理解するための授業になります。
初日の今日はその流れの上流側、岐阜県で江戸時代から素材生産を営んでおられる美並町粥川の古川林業さんを見学させていただきました。お忙しいところ社長の古川秀樹氏に同行していただきました。
最初に管理されておられる林が見渡せるところまで移動します。標高およそ1000m超の林道から眼下を眺め、所有林の説明を聞きます。今日はあいにく雲が多く見ることはかないませんでしたが、日頃の行いが良ければ御嶽山や乗鞍、北アルプスまで見渡せるそうです。
ジオラマを説明するように、管理されている森林の履歴を説明されていきます。他にもクマの被害のあった林、那比川を境にサカキの分布に違いがあること、など手に取るように話されていきます。丁度山々はコブシの仲間のタムシバの花盛りでした。また遠くの山に赤色の花のツツジであるアカヤシオが咲いているのが見られました。他にもシロヤシオ、サラサドウダンなどツツジの仲間が多く見られるそうです。
林道を下りていく途中のコウヤマキの大木の前で記念撮影。
少し下りてきて、新しくつけた林道も見学させてもらいました。歩きながら、市場の話、雪害の話、シカ、虫害の話等を伺います。
昼食後、林道の奥にあるいくつかの滝を見学。つるっと行きそうな岩をヒヤヒヤしながら移動します。
会社まで下りて来て、すぐ横の土場を見学させてもらいました。林道で伺っていたクマ害木、凍裂木なども見せてもらいました。凍裂木はひいても売り物にはならないそうですが、比重が重くなり、また腐りにくくなるそうです。
これはクマ害にあった立木の丸太。春先に形成層の部分を爪でかきとって集めて食べるそうです。縦方向に無数の爪痕があるのが見えるでしょうか?高さ8mくらいまで剥かれてしまうこともあるそうです。山側の方が剥かれ易いそうですが、全周剥かれてしまうと枯れてしまうとのことでした。
会社の近くの管理されておられる林分です。85-90年生の林だそうです。すっきりとしていて気持ちのよい林でした。驚いたことにここは枝打ちはしていないそうで、密度管理で光を調整して自然落枝を促しているそうです。う〜ん、奥が深い。
近くの美並ふるさと館の資料を見学し、円空仏やかつての林業の姿を少し見せていただいた後、江戸時代に植えられたというほぼ200年生のスギを見に行きました。周りの木は約100年くらい前に伐採され再造林されており、それらも充分に大きいのですが、その時に伐採されず残された2本の個体は圧倒的な大きさを誇っています。周囲長は丁度大人4人で抱えたのと同じ位で、まさに歴史の語り部とも言える木でした。今では郡上市の文化財となって保護されているそうです。
最後にそのスギの前で、スギのポーズ(?)で記念撮影。古川社長には丸一日授業におつきあい頂きました。本当に有り難うございました。