自力建設2020年“夏の大工合宿” ~墨付け編~
こんにちは、クリエーター科1年の杉山です。これまで、ブログを先生がたに書いていただいていたのですが、今回から今年度唯一の木造建築専攻学生の杉山が書いていきたいと思います。
無事、夏の大工合宿が終わったので、墨付け編と刻み編で書いていきたいと思います。
今年の大工合宿は今年大流行の感染症対策として、泊りがけの合宿ではなく通いの大工修行となりました。
場所は、岐阜県加茂郡白川町の「東濃ひのき製品流通協同組合」様。
大工さんの鈴木さん、鈴村さんに教えていただきながら、墨付けの作業を行いました。
鈴木さんに図面と模型でどのような建物にしていくか、墨付けしていくかを話し合いました。
「墨付け」とは、材木に対して、設計通りに刻むための線を書くことです。
まず、墨付けする前の材の『木取り』の仕方から教えいただきました。鈴木さん曰く「どんなに外側が捻じった木でも芯さえわかれば木取れる。」とおっしゃってました。木の芯の取り方は、木の小口の真ん中から反対側の小口を結んだ一直線が芯になります。図面を書いているときに先生から「芯から書いていくんだよ。」と言われていた意味がわかった瞬間でした。
皆さんは柱を立てるときに、元(木の根元側)と末(木の先端側)どちら側を天井にむけますか?
直観的に考えて、末を天井にすると思います。それは正解で、末を天井にすることで、元を天井にしたときよりも強度があがります。また、元を天井にむけてしまうと「逆柱」といって縁起がよくないとされてきたそうです。
では、どうやって製材された材を見て末と元を判断するのでしょうか。その答えは木の節にあります。木の枝は末に向かって伸びます。枝があった節は楕円で節の芯が真ん中より上にあるほうが末になります。そうやって一本づつ木を見てどこに使うのかを考えていきます。
木の性質をしっかりみて、どう使うかを決めたらいよいよ墨付けに入っていきます。僕の持っている指矩(さしがね)一本と鉛筆で墨付けをしていきます。まず、墨付けも芯に墨をつけていきます。その芯からどのくらいあるのか、芯からどのくらいの幅なのか、全て芯から考えます。指矩を使うのも初めて、芯から材を考えるのも慣れてない……。墨付けはとても苦労しました。
墨付けは誰が刻んでも刻めるように墨をつけます。上からみた墨を書き、そんまま材の横にも墨をし、裏にも墨をする。表と同じように墨をしたいのに、どんな墨だったけと思ってまた表に戻ったりと四苦八苦しながら墨付けしました……。
それでも大工の鈴木さん、鈴村さんがとても丁寧に教えていただき墨付けを進めることができました。
次回は夏の大工合宿~刻み編~となります。
根気よく教えていただいた、大工さんにはほんとうに感謝しています。
クリエーター科一年:杉山優真