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2020年09月01日(火)

第1回 市町村林務担当職員研修【区分1】を開催。

 令和2年度の市町村の森林経営管理制度実務担当者に向けた研修は、市町村の取組状況を勘案して、区分を3段階に分けて実施しています。この日は【区分1】の第1回目。予定ではこの前に森林経営管理制度についての講義の日程があったのですが、大雨の影響で、延期となり、この日のデジタルツールをテーマにした回が1回目となりました。

 

  • デジタルツールの紹介1            10:00〜10:45 

講師:FOREST MEDIA WORKS(株)       楢崎 達也氏

 

 まず、この日の研修を始めるにあたり、まだなじみの薄い林業分野でのICTについて全体像を把握するため、FOREST MEDIA WORKS(株)楢崎氏より説明がありました。

  • 航空測量技術の紹介                    10:45〜12:30 

講師:北信州森林組合  堀澤 正彦 業務課長

 

 この時間は、森林組合で航空レーザー測量のデータをフルに活用されている北信州森林組合の堀澤業務課長より、活用に至った経緯や活用の状況について伺いました。

かつての北信州森林組合は、国有林事業などの請負いが主力であったそうですが、平成20年度から組合員事業に軸をシフトするようになり、今では積極的に集約化を進め、森林所有者と長期施業受委託契約を結んでいるそうです。この状況はまさに今市町村が向かおうとしている方向です。

森林所有者から、山を預かり適切に管理して行こうとする中で、情報不足が最大の課題であったそうです。その不足した情報の補充に役立ったのが、航空レーザー測量のデータだったそうです。そういった点でも市町村と共通の課題に対峙してきた堀澤氏の話は非常に参考になるものでした。

  • デジタルツールの紹介2                13:30~13:45

講師:FOREST MEDIA WORKS(株)    楢崎 達也氏

 

 午前中におおよそデジタルツールにどのようなものがあるのか、どのように活用されているのかを知りましたが、ではそれを自分自身の職場に導入するには、デジタルツールにどのような役割を担ってもらうのか?その捉え方について聞きました。

 

  • 市町村職員がデジタルツールを活用する際の留意点の紹介、外注業者選定に関するアドバイス、質疑応答      13:45〜14:45         

講師:FOREST MEDIA WORKS(株)   平井 和子氏

 

 デジタルツールは非常に便利であるとは言うものの、ちょっと話を聞いただけで上手に活用できるとは思えません。実際に導入しても使えていないシステムをよく見かけます。何が原因なのか。次の時間は、FOREST MEDIA WORKS(株)平井氏の話。平井氏は、今年の5月まで、地域林政アドバイザーとして他県の某市町村でICTクラウドシステムの活用促進支援を行ったり、6月から支援をしている市町村では、すでに導入されていた森林資源情報を扱う中で大変苦労をしているとのことで、そのような経験から、具体的にどのような苦労があったのか、その原因はどういったことだったのか、導入時に何に注意を払ったらいいのか といったアドバイスがありました。

 

  • パネルディスカッション:デジタルツールを活用する際の留意点

  14:55〜16:00

 

 最後の時間は、講師3名によるパネルディスカッションでした。

 参加者からは、「どのように職場でデジタルツールを浸透させていったか」といった質問があり、堀澤氏の回答では「まず、アナログでやってみる。そうするとどこにデジタルツールを活用したいかが共通の望みとなり浸透する」といった回答がありました。デジタルツール活用で起こりがちな、『〇〇さんしか使えないツール。』とならないためにも、少し遠回りと思えるようなことも必要なのかも知れません。