【夜活】手計算で挑戦! 木造の許容応力度計算
木造建築の新しいかたち(その145)木質構造に関する住育の取り組み
実務者のスキルアップをする住育:専門技術者研修「木造建築の許容応力度計算演習」を開催しました。この一連の研修は全9回となっていて、モデルプランに基づいて構造計算をひととおり実施する研修となっています。夜活の一つとして、仕事帰りに「ひと勉強」、各回18:00~21:00に開催しています。
第2回は『梁上耐力壁の許容せん断耐力の低減計算』について講義しました。梁上にある耐力壁はそれを支える横架材の剛性によって見かけの変形が生じるため、梁上耐力壁の剛性を低減して考える必要があります。その剛性低減も思っていたよりも結構大きな剛性低減になることが多いです。
それから、「偏心率計算」について講義しました。偏心率は、耐力壁配置のバランスを検討する指標です。偏心率計算は、計算が煩雑なものになりますので、偏心率計算の後半は、次回へと持ち越しました。
木造住宅を設計する通常の仕様規定の簡易構造検討では検討しない「梁上耐力壁の剛性低減」および「偏心率計算」について、演習を手計算によりおこないました。限定された時間の中で計算量が多いので、皆さん必死に計算しています。「下階に柱のない梁上耐力壁の怖さ」と「壁配置のバランスの悪さがもたらす怖さ」を建築実務者の皆さんも感じていただけた研修となりました。
教授 小原 勝彦