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2020年07月09日(木)

課外授業ようこそ先輩@森林文化アカデミー

数年前まで「課外授業ようこそ先輩」というNHKの番組がありましたが、まさにそんな感じでエンジニア課の卒業生が森林文化アカデミーに来てくれました。

今年のエンジニア科2年林産業コースには木工業へ進みたい学生が多いのですが、別の学校へ進学して技術を学ぶべきか、就職するべきか、具体的な進路のイメージが描けていません。そこで、進学した後に木工の仕事をしている卒業生を招いて話を聞くことにしたのです。

来てくれたのは安間将嘉さん。安間さんは2017年に森林文化アカデミーを卒業後、高山市の森林たくみ塾へ進学して木工技術を学び、2019年からは岐阜市のツバキラボで働いています。ツバキラボはアカデミーの元教員、和田賢治さんが経営するシェア工房です。

エンジニア科は林業や林産業(製材や木材加工など)の授業が主で、木工や家具製作の授業はほとんどありません。クリエーター科に進学して木工専攻で学ぶこともできますが、クリエーター科は社会的起業をめざすための学びも多く、必ずしも技術だけを集中して学べるというわけではないのです。

安間さんもまずは技術を身に着けたいと、森林たくみ塾を選んだのでした。

自分自身がアカデミー在学中にどのような考えで進路を選んだか、たくみ塾では何を学んだか、ツバキラボではどんな仕事をしているのか。2時間にわたり詳しく話してくれました。

「木工技術はツールだから。できて当たり前で、それを使って何をするかが問われる。そこで自分の好きなことや得意なことが生きてくる」という趣旨の話が印象的でした。安間さんは高校のデザイン科の出身で絵やデザインが得意。アカデミー在学中も学園祭のポスターやTシャツのデザインに腕をふるっていました。今はその特技を生かして、社長と一緒に特注品のデザインを考えたりするのが楽しいのだそうです。

たくみ塾在学中に作った作品も持参してくれました。エンジニア科の学生たちは憧れの目で見ています。グラデーションを表現するために7種類の木を使ってあります。さて、何の木?

左からセンダン、ヤマザクラ、ウダイカンバ、イタヤカエデ、トチノキ、カラスザンショウ、ホオノキです。左端の蓋を起こし、隣の蓋を左へスライドさせながら、それぞれの蓋の下に入れてある物を取り出す仕掛けです。

こちらは課題製作の椅子。図面の描き方も森林たくみ塾の現場で覚えたそうです。

まだ社会に出たことのないエンジニア科の学生たちは、進路と言われてもなかなかイメージがわかないもの。でも年の近い先輩が語ってくれたからこそ、進路を選ぶことや仕事をすることについてリアリティを持って考えることができたと思います。

授業とは違い、放課後のリラックスした時間に実施できたのも良い感じでした。この日の話を聞いた学生たちが数年後、安間さんのように木工の仕事をする先輩としてアカデミーに話をしにきてくれたらいいなあ。彼らの今後に期待です。

久津輪 雅(木工・教授)